【名前変換オリジナル】記憶保有期間、一年。

恋人 ページ7

「すまない、A。脅し過ぎたな。……もう泣かないでくれ」

温かい手が頭を撫でる。
やっと落ち着いてきて、涙も止まった。

「……ごめんなさい」
「ああ。大丈夫か？」
「はい」

深見先生に手を引かれ、検査室へと戻る。
その手の繋ぎ方が、あまりにも自然で。

「先生」
「ん？」
「前にも、私とこうして手を繋いだことがありますか？」
「……ああ」

前の私も逃げ出したのだろうな。
ちょっと笑いながら口を開く。

「恋人みたいですね」
「……恋人だけどな」
「……ん？」

冗談で言った言葉のまさかの返答にびびる。
えっ？

「……え？」
「だからお前が敬語で話すのは違和感があるな……どうした？信じられないのか？」
「……はい。なんか、すごく変な気がする」

まずどんな付き合い方をしたのか想像出来ない。

「……なるほど」
「？」
「いや、なにもない。これから慣れていけばいいさ」

頭を撫でられ、目を細める。
あ、これは覚えのある感触だ。



問3 恋人？

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