【歌い手】席、どうぞ５【Eve】

9 Eve side ページ10

「A！！！」



Aが振り返る



いた...Aに会えた



「久しぶり･･･ではないけど久しぶり？かな」



『うん』



そしてくる沈黙



これほんと毎回毎回どうにかならないかなぁ



『･･･ライブお疲れ様』



「え？あ、ありがとう！」



『･････････よ』



「え？」



『ん？』



「え？なに？」



『なんでもない』



「そっか」








･･･







『寂しかった』



「ふぇ？」



すごい間抜けな声が出た



急に寂しかったなんて



『寂しかった･･･？』



「うん凄く」



『ごめんね』



「え？」



『Eveくんのこと置いて帰っちゃったり、なかなか話せなかったりごめん』



なんで謝るの



いっつもいっつも






･･･





僕はAを抱きしめた



今までにないくらい強く



『えっ...』



「好きだよ」



『えっ？』



「好きって言葉じゃもったいないくらい」



『･･･』



「大好きです。初めて会った時からずっと」



『･･･』



「最近忙しいことを理由にして全然話せなくて、電話もできなくて会えなくて、疲れてる時は対応も素っ気なくなって。本当にごめん」



『･･･』



「･･･僕まだAの寝顔見たことないのに。笑」



『え？』



「Souちゃんに見せちゃって。も〜Souくんに負けちゃったなぁ」



『え･･･』



「Aの寝顔を僕より先に見た男がいるのは許さないよ？でもね」



「でもこれからたくさん見れるから、ね」



『うん･･･』



「ねえ『好き』



「え？」



『好きだよ、Eveくんだけが。Eveくんのことが。あっ違った』



「え？」



『伊吹のことが大好きだよ、いつになってもずっと』



「あっははww」



『なに？ww』



「こっち見て？」



心臓が早い



きつい



鼻の先がくっつくくらいの距離



見れない



「僕の目見て」



無理むりむりむり



『･･･』






ﾁｭｯ


？！



『えっ』



「あ、こっち見てくれた」



･･･



「好きだよ、A」



そう言ってEveくんはキスをした



長めのキス



抱きしめられてる上にキスとか心臓もたない無理



むり



駅員「まもなく電車が到着します」



「可愛いなぁ本当に」



『うるっさいなぁ』



「あ、電車きちゃった」



『もうお別れか･･･』



「お別れ？」



『うん』



「まだでしょ？」



『え、？』



「今日は送ってく。僕のAがこれ以上他の人と仲良くされたら困る」

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