◆騎士と軍医 ページ9
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実に重厚な扉を、Aは若干疲弊しながらゆっくりと閉めた
我らが書記長であるトントンからの
内容は勿論、無断で連れて帰ったかの国の元使用人の女性に関して。
せめて許可を乞うための連絡をしろ、と小一時間ほど
東洋の国の文化であるらしい“セイザ”をさせられながら。
扉近くの壁に飾られてある“書記長室”という文字を恨めしく
見つめていたAは、ふととあることを思い出して
いそいそと医務室へ向かった
『しんぺいさん』
薬品の匂いが微かに香る医務室。
その扉をそろりと開いたAは、デスクに向かって座る男の名を呼んだ
「お、Aいらっしゃ〜い」
彼の名はしんぺい神。
我々国随一と呼ばれるほどの腕を誇る軍医であり
我々軍唯一の同性愛者.........まあ所謂“ホ モ”である
隙あらば幹部だろうが一般兵だろうが掘ろうとするため
接近には十分な注意を払わなければならない
閑話休題。
“神”と書かれた黒い面布から覗く穏やかな笑みを見たAは
苦笑にも似た微笑みを浮かべ、しんぺい神に歩み寄った
『
「またかい？ったく、君は......必要以上に使うなと約束したじゃないか」
『あんなの使った内に入らない』
「じゃあソレも起きない筈なんだけど」
『............』
呆れたようにため息をついた軍医に、Aはふいと目を逸らす
こればっかりは仕方がないだろう
A自身、どういうときにコレが起きるのかよく分かっていないし、
相応の措置をとれば何も問題はないと思っている
ていうか早くしないと戦線へ赴けない。最悪、部隊長である自分が遅刻してしまう
既に開戦済みであったことを思い出したAは
急かすようにしんぺい神を見つめた
「もう、そんなに見つめないでよ。照れちゃう」
『.........』
「冗談だって。はいはい、薬ね。今日の分はお終いだからね？」
『............えー...』
「そんな不足そうな顔しないの。我慢しなさい」
『........................分かった』
渋々と頷いたAに満足げに笑んだしんぺい神は、
ふと手元の書類を手に取った
我々国軍の軍医であり、尚且つ装甲部隊の隊長でもある彼も
今回の戦争に関して、ある程度は知っておかなければならない
軍を支える医師として、我々国に仕える一軍人として。
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ヤオリム(プロフ) - 更新頑張ってください！応援してます！ (2020年1月4日 14時) (
レス) id: 5300aa66a5 (このIDを非表示/違反報告)
黒葉くん@wrwrd!煽り組、ら民 - 忠誠、誓 って字でめっちゃ兄さん出てきて泣くかと…… (2019年3月26日 2時) (レス) id: 089aae62ec (このIDを非表示/違反報告)
夜行性(プロフ) - 初っ端からかっこよすぎて物語に入る前にお気に入りに追加させていただきました！！更新頑張ってください。 (2019年2月26日 0時) (レス) id: 592213ae86 (このIDを非表示/違反報告)
ギル(プロフ) - え、好きです。設定が自分好みすぎて語彙力ふっ飛んでいきました。更新まってます。 (2019年2月25日 23時) (レス) id: ac1cad5a35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍色鳩羽 | 作成日時：2018年12月16日 22時
