外交官は笑みを浮かべ、 ページ5
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絶対零度の視線を前に、相手国の外交官は
絶望にも似た感情を抱いた
何故毒を盛ったぐらいで、しかも本人はピンピンしているというのに
こうも惨い仕打ちを受けなければならないのか
そもそもあの我々国の軍人に手を出すこと自体が間違いであったのだが
奇しくもこの男は気付いていない
阿呆にも程があるだろう
「......何故......っ」
「ん？なんで毒盛ったぐらいで〜...って顔してますね」
「それは.........」
まるで心を見透かしたかのようなオスマンの発言に、男はたじろいだ
それを見たオスマンは、その形の良い唇を弧を描くように歪ませる
「ほんま阿呆。救いようもない」
辛そうに顔を歪める男を一瞥し、オスマンはAの方に向き直った
ロングソードを片手に白銀の髪を靡かせ、剣舞のようにその長いローブを翻す姿は
流石は実力主義である我々国の幹部の座につく者、隙を見せる素振りもない
オスマンの視線に気付いたのか、Aは不思議そうにオスマンを振り返った
『......何？』
「んーん、綺麗やなぁって思て」
『......そういうのは、女に言うものだと思うんだけど』
「ええやん、正直な感想や」
『............そう』
照れたように顔を背け、再び使用人らに向き直ったAの耳は
仄かに赤みを帯びていた
それに満足したように笑み、オスマンは優雅に足を組み直す
次々と使用人の首が刎ねられる光景を冷徹な目で
眺めていたオスマンは、ふと動きを止めたAに不信感を抱いた
「どしたん、A」
『......この人、』
見れば、恐怖に顔を歪ませ、両手を組み合わせて蹲る女性がいた
？この女性が、どうしたというのだろう。最後の一人じゃないか
結構綺麗な顔だと思うが、もしや一目惚れでもしたか
そう思ったオスマンは、僅かに眉を寄せた
そんなものお構いなしに、Aは告げる
『この人、妊娠してる』
「っえ......！？」
「は、」
流石のオスマンも、突然のことにポカンと口を開けた
いやそれよりも、一番驚いていたのは妊娠していると言われた女性自身だ
剣を振って付着していた血を掃い、キン、と鞘に納めたAは
その女性の前に目線を合わせるように膝をついた
それを呆然と眺めていた女性は、掠れた声で呟く
「何故、妊娠していると分かったのですか...」
『...敵である貴女に答える義理はない』
状況を察したオスマンは、思わず苦笑をもらした
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ヤオリム(プロフ) - 更新頑張ってください！応援してます！ (2020年1月4日 14時) (
レス) id: 5300aa66a5 (このIDを非表示/違反報告)
黒葉くん@wrwrd!煽り組、ら民 - 忠誠、誓 って字でめっちゃ兄さん出てきて泣くかと…… (2019年3月26日 2時) (レス) id: 089aae62ec (このIDを非表示/違反報告)
夜行性(プロフ) - 初っ端からかっこよすぎて物語に入る前にお気に入りに追加させていただきました！！更新頑張ってください。 (2019年2月26日 0時) (レス) id: 592213ae86 (このIDを非表示/違反報告)
ギル(プロフ) - え、好きです。設定が自分好みすぎて語彙力ふっ飛んでいきました。更新まってます。 (2019年2月25日 23時) (レス) id: ac1cad5a35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍色鳩羽 | 作成日時：2018年12月16日 22時
