騎士は剣を抜き、 ページ4
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条約も締結されたことだし
後は帰国するだけとなったオスマン達は
挨拶もそこそこに相手国の応接室から退室しようと席を立った
............のだが。
「...これは、一体どういうことでしょうか」
『.........』
突然立ち塞がった相手国の使用人達が、それを阻んだ
しかしそれでもオスマンは決して顔色を変えることなく
彼らに冷静な声色で問い質す
「我々はこれから国に帰らねばならないのです。
...そこを退いて貰えますか？」
「.........申し訳御座いませんが、それはできません」
実力行使、か。
杜撰にも程がある
毒が効いていないことに焦ったのか
紅茶の量を見れば、それを口に含んでいないことなど一目瞭然だというのに。
いい加減この茶番に飽きてきたAは
優雅な笑みに微かな苛立ちを滲ませるオスマンに静かに目配せした
もういいか
そう鋭い目で語るAに
この場にいることに辟易としていたオスマンも目でゆっくりと頷く
その氷塊を
『......救いようがないな』
死にたくなるほどに美しい白銀の長い髪が揺れる
突き刺さるような殺気を放つ露草色の瞳に
それを前にした一人の使用人が呟いた
「っ氷の、騎士.........」
「...A、時間ないから手短にな」
『分かってる』
淡々と、しかし明らかな殺意を含んだ声に
使用人達はわなわなと震えだした
世界で最強.........否、最恐と言われる我々国軍の中で
幹部という肩書きを持ち、尚且つ幹部内でも
“味方最大の敵”と恐れられるゾムでさえ凌駕すると噂される男......
『......恨むなら愚劣な雇い主の、詰まらない愚計を恨んでよ』
A･スウェイリッター
するりと、そのシンプルなロングソードが抜かれる
その所作さえ、鋭利な美しさを感じるのはAの美貌故か。
その様子を実に愉快そうに眺めていたオスマンは上機嫌に笑んだ
「っお、オスマン殿......！」
「.........なんでしょう」
邪魔が入った
そう思ったオスマンは心底冷めた目を、その声の主に向けた
縋るような目に情なんて涌くはずもなく
誰もが凍りつくような冷徹な笑みを浮かべたオスマンは
あざとくも僅かに小首を傾げ、その形の良い唇を開き、告げる
「まさか、今更“許して”なんて、言いませんよねぇ？」
瞬間、凍てつくような空気が彼らの間に流れた
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ヤオリム(プロフ) - 更新頑張ってください！応援してます！ (2020年1月4日 14時) (
レス) id: 5300aa66a5 (このIDを非表示/違反報告)
黒葉くん@wrwrd!煽り組、ら民 - 忠誠、誓 って字でめっちゃ兄さん出てきて泣くかと…… (2019年3月26日 2時) (レス) id: 089aae62ec (このIDを非表示/違反報告)
夜行性(プロフ) - 初っ端からかっこよすぎて物語に入る前にお気に入りに追加させていただきました！！更新頑張ってください。 (2019年2月26日 0時) (レス) id: 592213ae86 (このIDを非表示/違反報告)
ギル(プロフ) - え、好きです。設定が自分好みすぎて語彙力ふっ飛んでいきました。更新まってます。 (2019年2月25日 23時) (レス) id: ac1cad5a35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍色鳩羽 | 作成日時：2018年12月16日 22時
