◇騎士と外交官 ページ3
書き方を変えてみました
.
「では、条約は締結、ということで」
「ええ。ありがとうございます」
交わされる握手。
自国の優位な条件を呑み込んで貰えた
それも勿論嬉しいことではあるが何より相手国が
スイーツの名産地であることを知っていた我々国の一外交官であるオスマンは
これは占めた、と内心ガッツポーズした
もとより意味のない条約であるのだが
スイーツを食すことができるのには変わりない
食えぬ笑みを浮かべ、優雅に紅茶を嗜む姿には一切それを感じさせないが。
オスマンの護衛として彼の斜め後ろに静かに待機していたAは
先程持成しとして出された菓子や紅茶に微量ではあるが、毒が含まれていることを
知っていたため、相手国の動きを警戒していた
外交に赴く前に食事することを禁止しておいて良かった。言わなくとも匂いで
気付いただろうが俺と違ってこの人は毒耐性がない
下手すれば死に至る可能性だってある
Aは相手方の実に愚かな行動に僅かに目を細めると
わざとらしく咳払いをした
『.........オスマン。時間』
「ん？あ、せやな」
「おや、もう時間ですか。貴殿と話をしていると時間もあっという間ですな」
「ふふ、お褒め頂き光栄でございます」
それでは、この文書にサインを。
顔色一つ変えることなくそう言って一枚の紙を差し出すオスマンに
相手国の外交官はその目に僅かばかり驚愕の表情を浮かべた
それを一外交官であるオスマンが見逃す筈もなく。
「おや、如何されたのです？顔色が優れないようですが......」
「っああいえ、ご心配なく」
実に滑稽な姿だ
仕込んだ毒が効いたとばかり思い込み、その他の可能性を一切考えないとは。
総合的に見て、外交官としては三流......いや、それ以下か。
内心呆れを感じていたAは、しかし仕事に手を抜く筈もなく。
相手方の外交官と使用人がほんの一瞬アイコンタクトを交わした瞬間を見逃さず
この後
冷静に判断していく
と同時に、長年愛用しているロングソードの柄にそっと触れた
そう。意味など全くない外交ではあるが
我々を侮っていることが目に見えて分かる相手の対応や
何より我々国筆頭外交官であるオスマンに毒を仕込むといった愚行に
Aは心底憤慨していたのだ
そんなことなど露知らず
相手国からのサインが記された文書を受け取ったオスマンは
上機嫌に頷いた
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ヤオリム(プロフ) - 更新頑張ってください！応援してます！ (2020年1月4日 14時) (
レス) id: 5300aa66a5 (このIDを非表示/違反報告)
黒葉くん@wrwrd!煽り組、ら民 - 忠誠、誓 って字でめっちゃ兄さん出てきて泣くかと…… (2019年3月26日 2時) (レス) id: 089aae62ec (このIDを非表示/違反報告)
夜行性(プロフ) - 初っ端からかっこよすぎて物語に入る前にお気に入りに追加させていただきました！！更新頑張ってください。 (2019年2月26日 0時) (レス) id: 592213ae86 (このIDを非表示/違反報告)
ギル(プロフ) - え、好きです。設定が自分好みすぎて語彙力ふっ飛んでいきました。更新まってます。 (2019年2月25日 23時) (レス) id: ac1cad5a35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍色鳩羽 | 作成日時：2018年12月16日 22時
