◇騎士と総統 ページ14
.
(視点:A)
『っ！！』
ぱちりと目を覚ます
ああ最悪だ。また、やらかしてしまった
感覚のない四肢、己の意思に従わないまま勝手に動く体に
自分の状況をなんとなく察する
極稀に......主に短期間での能力の過度な行使によって起きる、
特殊能力による強制的な未来予知。
及び、未来予知による氷結状態の進行速度上昇。
随分と難儀な特殊能力だと自分でも思う
意識的に使わないようにしないと
この目はすぐに｢視よう｣とするのだ
視てしまえば氷結が進行し、手足に多大な負担をかける
正直言って、利よりも損の方が大きい
なんてあれこれ考えていると、ふいに予知空間で爆音が響き渡った
なるほど、今回の予知は次の戦争に関することか。
自分の意思に関係なく、体は目の前の敵兵を難なく屠っていく
斬っても斬っても湧き出る兵に、少しずつ息が切れているのがわかる
なんとも不思議な感覚だ。自分の意識では全く疲れてないのに
体は息が切れてくるほど体力を削がれている
まるでゾンビのような相手に、だんだんと鬱憤が溜まってきたのか
未来の俺は長年触らずにいたレイピアの柄にゆっくりと触れた
．
.
.
そのとき。
.
.
―グルッペンの消息が途絶えてもうた
『っ、え............？』
―...爆発に巻き込まれてから連絡がつかへん
『爆、発......ある、じ.........が？』
―気をしっかり持て、A。今はまだ戦闘中のはずや
『たすけに、いかないと、』
―いや、まだ近くに爆弾があるかもしれへん。Aは自分の持ち場を守れ
『あるじが、まってるかもしれない』
―A、冷静になるんや。グルッペンはそんなにヤワな男か？
『でも、だって、あるじが、そんな、』
―......、大丈夫や。これまでだって、あの人はしぶとく生きて帰ってきたやろ？
『...うん、大丈夫、だよね、あるじだし、大丈夫』
―ああ、グルッペンは大丈夫や。絶対に生きとる
．
プツ。
ぐらりと意識が揺れる
グルッペンが、あの、大魔王が......？
有り得ない。そんなの、あってはならない
ぐらぐら、ぐらぐら。
これはきっと夢だ、悪夢だ。そうに違いない
だって、だって
ぐらぐら、ぐらぐら。
あいつが、グルッペンが死ぬはずない
ふいに足元が崩れていくような感覚を覚えた
視界が揺れる
ぐらぐら、ゆらゆら。
ふと、誰かが笑った気がした
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ヤオリム(プロフ) - 更新頑張ってください！応援してます！ (2020年1月4日 14時) (
レス) id: 5300aa66a5 (このIDを非表示/違反報告)
黒葉くん@wrwrd!煽り組、ら民 - 忠誠、誓 って字でめっちゃ兄さん出てきて泣くかと…… (2019年3月26日 2時) (レス) id: 089aae62ec (このIDを非表示/違反報告)
夜行性(プロフ) - 初っ端からかっこよすぎて物語に入る前にお気に入りに追加させていただきました！！更新頑張ってください。 (2019年2月26日 0時) (レス) id: 592213ae86 (このIDを非表示/違反報告)
ギル(プロフ) - え、好きです。設定が自分好みすぎて語彙力ふっ飛んでいきました。更新まってます。 (2019年2月25日 23時) (レス) id: ac1cad5a35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍色鳩羽 | 作成日時：2018年12月16日 22時
