カランコエの花言葉 壱【我妻善逸】

十九話 ページ23

善「じゃあ………て……んで」


「ん？ もっと大きい声で言って！」


善「よっ、呼び捨てで呼んでって言ったの！！！」








あらら、顔真っ赤。









って、あれ？
もしかしてそんなことで悩んでたの？！









「ふっ、あははははは！！」


善「ちょっと！！なんで笑うの！！！」


「だ、だって…ふふ、そんなことで悩んでたの？」


善「俺にとっては"そんなこと"じゃないの！！
炭治郎も、あの伊之助でさえも呼び捨てで呼ばれてたのになんで俺だけ"くん"なの！？！

寂しいよぉお！寂しくて死にそうだったんだよっ！
うぁあぁぁああっ」









ああ… しまった、、泣かしちゃった。











でも無意識だったなぁ。
確かに炭治郎も伊之助も呼び捨てだ……








「善逸…」








なんか、擽ったい感じがする。





でも嫌じゃなくて、





もっと名前を呼びたいって思った。







「泣かないで。私は善逸の笑った顔が"好き"だな」


善「っ……」








善逸がゆっくりと顔を上げ、何か言いたげな顔で私を見つめてくる。









大丈夫。分かってるよ。

あなたが一番悩んでること、本当はまだ言えてないんだよね？






無理して話さなくてもいい、
話したい時に話してくれればいいんだよ。







どんな話でもちゃんと聞くから。
待ってるから。









善逸の目に溜まった涙が月の優しい光に照らされてとても綺麗だった。

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