私の兄ちゃん坂田銀時4【銀魂】【沖田総悟】

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『ただいまー。』




「おー、おかえりー。」






今日の夕飯当番は銀ちゃん。

私が帰った頃にはもうだいぶ料理も出来上がっていて、

お箸やら何やらの用意も済んでいた。





とりあえずカバンを部屋に置きに行く。




そろそろ衣替えしとかないとなー。

マフラーとかもしまわなきゃ。





棚に雑にかけられたボロいマフラーが目に入った。





……沖田にもらったマフラーは、結局使わないまま冬を越した。



袋に入ったまま、箪笥の奥にしまってあったはず。




なんとなく、箪笥を開いてくしゃくしゃの袋を取り出してみる。








”ケリつけたアルか。”







私はこのマフラーを着けないって決めたはずなのに、

なんで捨てずに取って置いてるんだろう。





ていうかなんでこんな意地はらなきゃいけないんだ。

部活仲間にもらったマフラーくらい、つけないほうがおかしい。





……いやいやいや、私にとって沖田をただの部活仲間としてみるのがどれだけ難しいか。


だから、封じ込めるためにもこのマフラーはつけないことにしたんじゃん。






ダメだ、ダメダメ。


神楽に何を言われても、やっぱりダメだ。





もう、このマフラーは捨てよう。

つべこべ考えずに、さっさとゴミ箱に入れちゃおう。





勢いで袋を真っ逆さまにして、

落ちたマフラーを拾い上げる。




変な情がこみ上げてくる前に＿＿＿








＿＿＿マフラーを、片手で拾い上げた。

その下に、小さな犬のキーホルダー。





作りが雑で、キーチェーンに繋がれて、

いかにもガチャガチャの景品みたいなチワワ。





……自覚してたんだ。

自分がチワワに似てるって。





ガチャガチャの景品だとしても、

チワワが出たらわざわざ入れないよ、普通。






せっかく勢いづいていたのに、

私の手は止まってしまう。

うなだれてしまう。





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