41 ページ39
.
sideA
「A。」
.
学校の廊下、トイレの帰り、後ろから、聞き覚えのある低い声に呼び止められた。
『なんですか。トイレならもう行ってきたんで連れションは無理です。』
「おめ、誰が女子トイレなんざ入るか!」
『え!?女子トイレ入る気だったんですか!?
てっきり私男子トイレで襲われるのかと……』
「どんな被害妄想してんだよ!
お前、ずっと思ってたけど俺にだけちょっと厳しいよね?」
『いーから早く要件は?一応私らまだ付き合ってるって言う誤解解けてないんですよ。』
「ったく、自分勝手な女だな。
……元気か、って聞きたかったんだよ。」
『は?それだけ?
もしかして土方さんホントに私の事好きなんですか?
話しかけたいけど話題がないからとりあえずハウアーユー?みたいな?』
「テメェはどこまで自意識過剰なんだよ!」
『いや普通元気か?とか聞かないでしょ。
もうそれ以上近寄らないでください。誤解が広まります。』
「お前は思春期の娘か!俺は親父か!!」
『授業参観でうるさい親は嫌われますよ。』
「聞いた俺が馬鹿だったよ!もういいよ。授業始まるし帰るわ。お前も授業寝んじゃねェぞ。」
『口うるさい親父も嫌われますよー。
___ちなみに、私"ら"は元気でやってます、お父さん。』
「……そうか。」
なんだかんだ言って、やっぱこの人お父さん気質だよね。
.
124人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ニコ | 作成日時:2020年4月3日 10時