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sideA
私たちはこれまで、長い長い戦いを強いられてきた。
立ちはだかる数々の難関に、耐え難きを耐えてきた。
何人もの仲間が戦意を失い、その度に心がぐらつくのを感じていた。
そう、私たちの新の敵は、己自身だったのだ。
しかし、その戦いも今日で終わった。
私たちは、ついに自由を手に__
「はー、明日の練習試合めんどくせェなァ。」
『ちょっと!まだナレーションの途中でしょうが!』
「さぼっちまおうかなァ。」
『そのボヤキいる??わざとでしょ完全に。』
「俺ァ久しぶりの部活で疲れてんでィ。
ちょっとは静かにしやがれクソアマ。」
『いーじゃんか!
試験終わって幸せな気持ちを分け合おうよ!!』
「あー腹減った。なんか奢れよ。」
『さっきから、人の話を聞けッ!』
とりゃっ!と、沖田の腹に中段蹴りを入れてやる。
これでちょっとは反省しろ!
「テメ、加減ってものをしろィ!
色んな大事なモンが出そうになったじゃねェか!」
『アンタの腹の中は黒いモンしか入ってないでしょ。』
「俺の腹の中は思いやりや優しさでいっぱいなんでィ。」
……コイツは何を言ってんだ。
『間違ってますよー、
サド心と傲慢さの間違いですよー。
___イタッ、レディの頭になにすんの!』
「加減してやってんでィ。感謝しろィ。」
「あら、お2人さん、お帰んなさい。」
アパートの階段を登ろうとしたところに、
何気に初登場なお登勢さんが出てきた。
お登勢さんはアパートの下でスナックをやっていて、
銀ちゃんもよくここで飲んでる。
『あ、お登勢さん、ただいまー。』
「ども。」
「アンタら、また一緒に帰ってんのかい。仲良いねえ。」
『全然仲良くないですけどね。』
「そうかい。ま、今はそれでも一緒に帰った方が安全ってモンさね。
最近この辺で変質者見かけたって話もあるからね。」
「変質者ですかィ?」
「ああ、なんでもうちのキャサリンが夜、外に出た時に、髪の長い女がブツブツ呟きながらこの辺を行ったり来たりしてたっていうんだよ。
最初は信じちゃいなかったんだがねぇ、
他の客も見たっていうもんだからさ。
まだ明るいとはいえ、アンタらも気をつけるんだよ。」
お登勢さんそれ、変質者って言うか……
……幽霊では??
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作者名:ニコ | 作成日時:2020年4月3日 10時