日常１０ ページ11
・
私は部室で、仁王立ちの国見の下で正座している。周りには慌てる金田一、困惑する矢巾、ことの経緯を聞いて私を哀れむ渡。そして楽しんでやがる三年四人。
｢先輩。スマホ、出してください。｣
｢え、スマホの中身見られるってことだよね。普通に嫌だ。｣
｢来栖えっちなサイトでもみてんの？中学生男子かよ。｣
そう茶化してくる花巻。人の不幸は蜜の味といった様子で私が怒られているのを漫才感覚で楽しんでいる。
｢それは花巻でしょうが。私花巻が何見てるか知ってるからね。｣
｢えっ、知ってんの？｣
｢“コンビニのお姉さんと秘密の｢えっ、ちょすとっぷすとっぷ！！マジで知ってんじゃん！｣
｢A、あとで花のそれ、教えて。｣
そう頼んできた松川にいいよ、どうせ花巻のだから失うもんないし、とテキトーに答える。
｢……先輩。｣
｢あっはいすいません。これスマホです。｣
国見の圧に負け、私はブロックを解除してカメラロールを開いたスマホを国見に渡す。友達のツーショットの山を超えた先に、国見のチアガールのコスプレ写真はあった。
国見の持っている私のスマホを覗き込む皆。
｢…A。これ国見ちゃんの写真何枚あんの。｣
｢……二、三十枚。国見可愛かったから撮るの楽しくなっちゃって。友達とどっちが綺麗な国見を撮れるか勝負してました｡｣
及川の質問に自供する私。まるで刑事ドラマの犯人にでもなった気分だ。国見はどちらかと言うと刑事より取り立てみたいなオーラを出してるけど。
｢結局A先輩、その国見を撮る勝負友達に勝ったんですか？｣
そう聞いてくる矢巾。
｢負けた。｣
｢こんだけ撮っておいて笑笑！？？｣
及川は一人私を嘲笑う。花巻も一緒になって笑い始める。私の命なんて気にしちゃいない。
｢………。｣
国見は真顔で私の、国見英傑作写真集を全削除した。容赦ない。
写真を消したにも関わらず、国見は私のスマホを見ている。
｢返してよ。｣
｢いや、先輩の弱み握るまで返しません。｣
あ、国見こいつ相当根に持ってやがる。
｢ん、？これ……｣
国見が呟いて、とある写真をタップした。拡大されたその写真には私とある一人の高校生が映っていた。それは国見たちも見慣れたあの顔。
金田一がスマホを覗いた。すると直ぐに顔を顰めて言った。
｢………影山じゃねえか！！｣
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1363人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
米粉パン - さいっこうでしたっ！！！神作品をありがとうございます！！！ (2022年12月17日 6時) (
レス) id: 8b37d8f686 (このIDを非表示/違反報告)
米粉パン - 思わず笑ってしまいました。三年生がとっても仲良くて、いくら強豪の選手でも学生だなって思いました。国見くんのチア姿見てみたいですｗ (2022年12月17日 6時) (レス) @page47 id: 8b37d8f686 (このIDを非表示/違反報告)
焼肉のお供のご飯(プロフ) - めろんぱんさん» ありがとうございます！作者です！天才とか最高だなんて…照れちゃいます笑笑楽しんで頂けたのなら、書いたかいがあります！神作品だなんて言って貰えて私は幸せ！！ (2022年8月25日 7時) (レス) id: 91f2d1010a (このIDを非表示/違反報告)
焼肉のお供のご飯(プロフ) - おつゆ。さん» コメントありがとうございます！作者です。文才ありまくり！？嬉しいです！！言葉にして言ってくださると、すっっっごい嬉しい！！！ (2022年8月25日 7時) (レス) id: 91f2d1010a (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん - なんですか！！天才ですか！！もうっ！最高ですよっ！！めっちゃ面白かったです！神作品をご提供ありがとうございました！ (2022年8月17日 15時) (レス) @page46 id: 36a941d5ad (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：焼肉のお供のご飯 | 作者ホームページ：http://http://user.nosv.org/verifymail?u=solomon3240&hash=ff5a5c47ba09bb9e72...
作成日時：2022年4月8日 15時
