【ハイキュー】媚び売ってなんぼ 2【稲荷崎】

４８、演技 ページ9

『ほんまに待ってたんですね』

治「腹減ったし早よ帰んで」

体育館と更衣室の鍵を職員室に返してきたら、そこにデカい人影が。


治「ん。」

右手を前に差し出してきた


『何もあげれるもんなんですよ』

治「ちゃうわ。こうやろ」

言いながら私の左手を握って手をひいてきた

あー、ちゃんと恋人のふりってことね

食べ物寄越せって言ってるんかと思った。


そんで手デカいな
指太いし手のひら分厚い。ゴツゴツしてる
頑張ってる人の手やわ


『わーー。うれしーー。照れちゃうー』

治「棒読みやんけ。いっつもあんないい子ちゃんの演技しとるくせに」


鼻で笑ってきたサムさん。

ちゃんと恋人っぽく演技しろってことかい
十分やろこれで。

『あれは必要経費です』

治「これもそうやろ」


しゃーない
いいんですね本気出して


治「っ」

繋いでる手から、するっと指を絡めて恋人繋ぎにする。
空いてる手で頬を押さえて照れてる風に。


『サムさんと帰れるん嬉しすぎて‥。どうしよ、緊張してます‥』

さらに欠伸をこらえて涙をためて目をウルウルさせる。

上目遣いでサムさんを見上げると、目の前に指がとんできた。


『いったぁ！何でデコピンするんすか！』

治「‥なんかムカついた」

『理不尽！』

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