【ハイキュー】媚び売ってなんぼ 2【稲荷崎】

５８、祖父か ページ21

「A。ちょっとええか」

後ろからキリッとした声が聞こえて、思わず背筋が伸びた。

『どうされました？』


北「電気の点検の関係で体育館使えへん言うとったやん。やけど19時以降なら使えるらしいわ」


え、今日はロードワークだけで早よ終わると思ってたのにまさか

『まさか19時まで走ってそっから練習するんですか』


そんなん嫌や。
帰る時間めっちゃ遅くなるやん。
今日はソファでゲームする予定やのに

北「いや、今日はロードワークだけやよ。自主練とかで使いやつは使ったらええけど。一応伝えとこう思てな」

よし、助かった。

てか真面目か。いや真面目なんは知ってたけど

『それ、今から他の部員にも伝えにいくんですか？』

北「せやよ」

『今から2年教室のほう通るんで、1、2年には私から伝えときますよ』


「‥」

『え、なんですか』

北「いや、すまん。相変わらずえらい気ぃ利くなって感心してたわ」

『いやまぁついでなんで』


フッと北さんが微笑んだ
ここ重要。
微笑んだ。北さんが。

北「Aはいいお嫁さんなりそうやな」

祖父か。
それは娘通り越して孫に言う感想や


北「あと、ばあちゃんもAに会いたがっとたから、時間あるときまた遊びに来たってな」

『ほんまですか。それは行かなあかんわ』

北「最近な、ばあちゃんがAの結婚式まで楽しみにしてんねん」

いやなんで。ご老人あるあるやけど。
結婚の予定も願望もないねん。


『‥というか、北さん。その話あんま他でせんといてくださいね』

北「？」

わかってへんのかーい。

『俺のばあちゃんがAの結婚式楽しみにしてんねん〜、とか言ったらまた誤解されちゃうじゃないすか！！』

北「俺とAが結婚すると思われるってことか。そらあかんな」

でしょ！！意外と天然なんかこの方は。

これ以上変な噂が流れたらインス◯グラマーのスタバカスタムくらいの盛り盛りになるわ。

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