今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:198,674 hit
小｜中｜大
偶然 〜雅紀side ページ6
雅：「あの…洋服も汚れちゃいましたよね？」
カメラを首から提げると
Aちゃんはデニムのショートパンツを
ぱんぱんと手ではたく
A：「全然大丈夫ですよ」
とにっこり笑う
よかった。
…そんな顔で、笑うんだね。
オレは以前動物病院で見た
ちょっと元気のないAちゃんとは違う
屈託のない笑顔に少し
…胸がドキッとした
A：「私、家、すぐそこですから
すぐに着替えられますから」
Aちゃんは、すみませんでした
と言って、また歩き出そうとするので
思わずオレは並んで歩き出す
こんなときなのに、オレはどうしても
あの夜のことを、訊かずにはいられなくて…
雅：「あの、こないだ、一週間くらい前かな？
夜中に動物病院いましたよね？」
Aちゃんは
一瞬首を傾げて考え込んだけど
あっ、と小さく声をあげて
A：「はいっ、いました。
あの…ここで子犬を拾っちゃって。
もしかして…あのとき、診察室から出てきた…」
雅：「そう、オレオレ。
すごいね、オレたち。…ほんと偶然だねっ」
A：「ほんと！すごい偶然ですね」
オレたちは思わず笑い合う
お嬢、オレ、なんだか楽しくなってきちゃったよ
そっか。やっぱ。
Aちゃんのワンコじゃあ、なかったか。
.
ラッキーアイテム
革ベルト
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 118人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
