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距離 〜雅紀side ページ21
あまり遅くなりすぎないうちにって
少し酔っぱらいのAちゃんを連れて店を出る
本当はまだ一緒にいたかったけど
夕方までの熱気は、夜になって少し和らいで
人通りのない路地を通って帰れば
Aちゃんちまでは10分くらい
ヒールの足下がちょっと覚束なくて
オレは思わずAちゃんの手をとった
ひんやりした…小さな手
雅：「Aちゃん、大丈夫？ 寒くない？」
A：「はい」
俯いたままだけど、ぎゅっとオレの手を握って
オレの意識が、つながれた手に集中する
黙って歩くAちゃん
…ねー、なに、考えてる？
きっとさ。
オレたち今、同じ気持ちだよね？
そう確かめてみたい気もしたけど
…ま、焦らなくても、いっか
Aちゃんのマンションの前で
雅：「また、連絡するから」
約束して、別れた
Aちゃんが帰る後ろ姿を、こうして見送るの
もう今日で3回目だけど
少しずつ、二人の距離は
縮まってるよね？
ねっ。
.
遠回りな恋 〜雅紀side→←勘違いしちゃう 〜あなたside
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