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ゆたか君が、眠りについて静かな時間が過ぎる。
お風呂から上がり、ゆっくりしていると仕事から帰ってきた桔梗さん。
麦｢おかえりなさい。遅かったね｣
『おかえりなさい』
桔梗｢うん、ちょっと色々あってね。ねぇ、Aちゃん｣
にっこりと笑った桔梗さんの顔が、私の名前を呼ぶと同時に少し真剣な顔つきに変わる。
『はい』
桔梗｢記憶が無くなる前のAちゃんがどんな人だったかどんな人生を歩んできたのか知りたくない？｣
私の過去は、多くは語られないまま3ヶ月近く生活してきた。
記憶を無くした経緯、家族が居ないこと。
それは知っているが、それ以外は知らない。
『…わかりません。知らなくていいこともあるのかもしれない。知るのが怖いんです』
桔梗｢…そうよね。怖いよね｣
『でも、前に言いましたよね桔梗さん。私のために戦ってる人がいるって…その人はまだ戦ってるんですか？』
桔梗｢…うん｣
ゆっくりと頷く桔梗さん。
その人は3ヶ月1人でずっと戦っているのかもしれない。
その人は、私がこのままだったらずっと1人で戦い続けるんだろうか。
『…私、その人のためにも思い出さなきゃいけないのかなってたまに思うんです。このままの生活も幸せだけど、私の知らないその人のために』
桔梗｢Aちゃんに会わせたい人がいるの。男の人なんだけどAちゃんには何も危害を加えない。私もそばにいる。嫌だったらどのタイミングで帰ってもいい。だから、会ってくれないかな？きっと、Aちゃんの記憶を戻すきっかけにもなる｣
男の人と会う。
その言葉だけで、少し体に力が入る。
でも、ずっとここの場所に留まり続けるわけにはいけない。
私も少しずつ進まなければいけないから。
『…分かりました』
不安に思いながらも、私はその人に会うことを決めた。
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にる(プロフ) - そらさん» こんにちは！コメントありがとうございます！そう言っていただけると嬉しいです！これからもよろしくお願いします！ (2020年9月26日 17時) (
レス) id: 6400c0deab (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 初コメです！久しぶりにこんなにトキメク作品に出会いました……胸きゅんしっぱなしです！これからも応援してます、無理せず頑張ってください(*´∀｀*) (2020年9月22日 0時) (レス) id: 3a64fd78e3 (このIDを非表示/違反報告)
にる(プロフ) - stさん» コメントありがとうございます！何度も見返していただいてとても嬉しいです！今後の展開も是非お待ちいただければと思います (2020年9月10日 2時) (レス) id: 6400c0deab (このIDを非表示/違反報告)
st(プロフ) - 面白くて何度も読み直してしまいました早く九ちゃんのこと思い出してあげてほしい (2020年9月9日 22時) (レス) id: 4b9d124ab4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にる | 作成日時：2020年8月26日 12時
