443.一番似合ってる ページ46
・
「……ナナってセンターだっけ？」
「え、違いますけど……」
踊り終わった後、ヨンジュン先生とミンジュン兄さんはしばらく黙っていた。自分では全力でやったつもりだったけれど、期待以下だったのかな。少し不安に思っていたら、ヨンジュン先生が急にそう言って。
センターはオリーだし(2チームに別れていて、私はソウォン兄さん、ハンビン、マシュー、オリー、タクトのいる班だ)、それをヨンジュン先生も分かりきっているはず。首を傾げながら「自分はメインボーカルです」と口にすると、ヨンジュン先生は「あ、それはもちろん分かってるんだけどね」と困ったように眉を下げた。
「センターだって思ってしまうくらい、ナナが目立ってたってことだよ。正直、イントロからもうナナしか見えなかった。他のみんなができていないとかじゃないんだけど、とにかくナナが圧倒的だったんだよ。ナナが一番この曲を表現出来てたし、一番似合ってる」
「……そ、そうですか？」
「うん。きっと、この場にいるみんながそう思ってるよ。『Say My Name』はナナのための曲だって」
私のための曲。思わず視線をずらす。今そばに居るソウォン兄さん、ハンビン、マシュー、オリー、タクトも、壁側に座って私達のパフォーマンスを見ていたジウン兄さん、ウンギ、テレ、スンオン、ユジンも。スタッフの方も。みんなが唖然とした、でもきらきらした瞳でまっすぐ私だけを見つめていた。みんながそんな風に私のパフォーマンスを見ること自体は初めてじゃないけれど、こんなにも強く輝いた瞳を向けられるのは今までなかった気がする。
驚きながらも、ならミンジュン兄さんは？ と視線を戻す。目が合うと、真顔だったミンジュン兄さんはふっと脱力するように、「なんだよお前」と笑みを漏らした。
「……あ〜、俺だけがこんなパフォーマンス見たら、シアンにもヨンジュにもズルいって羨ましがれるな。せめて本番にシアンが来れたらな〜。……ヨンジュン先生、本番ていつでしたっけ？」
「25日だね」
「25……クソ、確か普通に仕事入ってたなあいつ。……や、後でマネージャーと社長に言って調整してもらえばいけるか？ スケジュールさえこじ開ければ関係者席とかから見れるよな」
「流石に今から調整するのは無茶なんじゃ……。……いや、それより、もっとなんか……ないんですか？ ダメ出しとか……」
私がそう言うと、ミンジュン兄さんは「はあ？」と呆れたような顔をした。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1977人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アップルパイ(プロフ) - Rさん» いつもありがとうございます！ 久しぶりの更新になってしまい申し訳ないです🥲 また早めに更新できるように頑張るのぜひ楽しみにしていただけたら幸いです……！🙇🏻♀️՞ (1月9日 10時) (
レス) id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
R - いつも楽しく読ませて頂いています！更新楽しみに待ってます！ (1月8日 2時) (レス) id: 0e71c92fc7 (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ(プロフ) - おーるいんさん» こちらこそ読んでいただきありがとうございます！ そう言って貰えると更新する活力になります〜！ これからもソンハンビンくんたくさん出てくると思うので、楽しみにして貰えたら嬉しいです☺️ (12月9日 0時) (レス) id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
おーるいん - 忙しい中更新ありがとうございます！めちゃくちゃ大好きなお話で、毎回とっても楽しみに待ってます！ハンビンのストーリー多くて嬉しいです^_^ (12月3日 8時) (レス) @page13 id: 50f65acc84 (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ(プロフ) - abcdさん» ありがとうございます！ 展開がゆっくりな分、なるべく更新は早くできるように頑張ります！ これからも楽しんで頂けたら幸いです🙌 (12月2日 1時) (レス) @page14 id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アップルパイ | 作成日時：2023年11月28日 15時
