305.部外者 ページ8
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「本当に……もちろんハンビンのことも心配だけど、今はナナ……Aのことの方が心配だからね」
「え？ 俺ですか？ なんでですか？」
久しぶりに本当の名前を呼ばれたな。まあ今は他に誰もいないから別にいいのだけど。そんなことを思いながら首を傾げると、フェテク兄さんは急に怖いというか、真剣な顔をした。
「……A。僕は、この番組の中ではAやN͜͡umberのことをいちばん知ってると思う」
「そりゃ、フェテク兄さんは……」
「うん。昔からの付き合いだもん。Aも、ヨンジュも、シアンもミンミンも。みんなの考えることは他の人よりは分かってるつもりだよ。……僕はみんなと違う事務所、違うグループで、部外者でしかないけれど」
「……フェテク兄さんが部外者のわけないじゃないですか」
CUBEで才能を活かせず折れそうになっていたヨンジュを支えて、背中を押してくれた。そうして事務所を離れても変わらずヨンジュを、そして私や兄さん達にまで優しい兄さんとして接してくれた。私が女だって秘密を共有しているから、事務所の人からも信頼されて顔パス同然でH9エンターテインメントに入れた。そんなフェテク兄さんが、部外者のわけがない。勝手だけど、私にとって、家族やN͜͡umberのメンバーの次に大切な存在だったし、ヨンジュや兄さん達だってそうだったはず。
そんなことを思いながら言うと、フェテク兄さんは「……そうだよね」と小さく笑った。悲しそうな顔だった。
「僕にとってN͜͡umberのみんなはPENTAGONのみんなの次に大切な存在で、部外者なんかじゃなかった。A達にとって僕がそうだったのも分かってる。
だからこそ、僕は……あの時、なんでN͜͡umberが結局解散して、Aが日本に帰ることになったのかを問い詰めなきゃいけなかったのに。自分が兵役でバタバタしてるからとか、事務所には事務所なりの事情があるからとか、僕は違うグループで結局は他人なんだから無駄に口を挟んだりしちゃだめだとか、きっと3人ともあんなことがあったから静かに生きたいんだとか……そんなの僕の勝手な考えで、目を逸らすための言い訳でしかなかったんだよ……」
「フェ、テク兄さん……？ 何を、」
嫌な予感がする。フェテク兄さんにこの先を言わせてはいけない。そう、直感的に思った。
つい後ずさりした私の手を、フェテク兄さんが掴む。強くはない。むしろ簡単に払える強さだったけれど、どうしてもできなかった。
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アップルパイ(プロフ) - 7さん» N͜͡umberのメンバーまで好きでいてくれて嬉しいですし、素敵なボイプラ関連の作品がたくさんある中で一番好きと言っていただいてとても恐縮です……！ まだまだ長いとは思いますが、完結まで書きたいと思っているので、これからも読んでいただけたら幸いです。 (10月6日 20時) (
レス) @page27 id: ce8ce21ff5 (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ(プロフ) - 本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好きさん» コメントありがとうございます！ しばらくシリアスなシーンが続きますが、これからも読んでいただけたら幸いです！ 本当に展開が遅くて申し訳ないのですが、更新頑張ります！ (10月6日 19時) (レス) id: ce8ce21ff5 (このIDを非表示/違反報告)
7 - N͜͡umberのみんなに会いたくなるしYouTubeでMilkywayの映像を検索したくなりました。ボイプラ系の中で一番好きな作品です。ぜひ完結までいってほしいです。応援してます (10月3日 14時) (レス) @page27 id: 643f8a8165 (このIDを非表示/違反報告)
本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好き(プロフ) - 主人公の気持ちが細かく描かれていて凄く悲しくなりました。続きを楽しみに待ってます。 (10月2日 23時) (レス) @page27 id: b9b005fe2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アップルパイ | 作成日時：2023年9月17日 5時
