第三十話 ページ33
シャオロン先輩は私が入学して、というかそもそも入学してから一日しか経ってないけど今まで出会った中で唯一私に明確な敵意と嫌悪を表した。
兄さんも、トントン先輩もロボロ先輩も、なかむやスマイルたちも、私がここに来てから出会った人たちは皆私に親切にしてくれた。だから兄さんの言うことやトントン先輩の言うことを半分信じてなかった。
きりやんは人間の存在は知ってたけど実際に見るのは初めてって言ってた。妖魔界に人間入るけど外に出ることは基本的にない、って言ってたから、だから学校なんかに入らないと人間と関わる機会は殆どない、と思う。なのにシャオロン先輩は私を恨んでるように見えた。
『……レクリエーションの時、シャオロン先輩っていう方に会いました。シャオロン先輩は、私を嫌ってるように、見えました』
二年生の外部生二人が休学中。
『過去に何か、あったんですか』
偶然だとは思えない、レクリエーションの時を思い出してみれば最初に私に組もうと誘ってくれた人、あの時は優しい人だなんて思ったけどあの後のゾムさんの危なかった、という言葉がずっと引っ掛かっている。クラスの皆は優しかった、それは初めて人間を見たから。ロボロ先輩やエーミール先輩だって優しかった。シャオロン先輩は？あぁもうだめだ、考えれば考えるほど頭が混乱していく。
共通点は？二年生だけ？でも明確に嫌悪を向けられたのは一人だけ、同じ二年生のゾム先輩は真逆、友好的で………？でも、あの目は友好的とかそんな、ものじゃなくて、もっとどろどろしたような…
「概ね正解だな」
一人で考えてる内に兄さんがそう口を開いた。
「でも、その"何かあった"ことについては俺の口からは言わない。」
言わない、言えないんじゃなくて私に意図的に伝えようとしない。
「自分で探してみろ、そうすればその疑問も、不安も和らぐと思うぞ」
はいこれ、と言って差し出されたのは一枚のプリント。
「月に一回、人間同士の交流会がある。こっちと向こうじゃ勝手が違う所もあるからな、こっちに来て間もない後輩のサポートや普通の雑談…まぁお話会ってとこだ。文字通り、交流会。強制参加だから丁度いい、明日の放課後あるから行ってこい。で、いろいろ聞いてみろ」
『ありがとうございます、』
手書きで書いたのか右下には可愛い兎の絵。
私以外の、人間。さっきまでの緊張感は消えてしまった。なんて単純なんだろう。
あぁでも、楽しみだ。そう思いながら足早に教室へ向かった。
続く
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リトマス試験紙 - 最高に面白いです。頑張ってください！！！ (12月29日 5時) (
レス) id: 597af49ddb (このIDを非表示/違反報告)
汝(プロフ) - あっあああ!!めっちゃ好きです,,,♡ (9月6日 20時) (レス) id: fe2c1e07b2 (このIDを非表示/違反報告)
霙(プロフ) - もこさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです、励みになります。ゆっくりの更新にはなりますが次のお話も楽しんでいただけたらなと思います！ (8月5日 23時) (レス) id: c3d88da4d8 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 私逆ハー大好物なので嬉しいです！この小説に出てくる実況者様達全員推しなので嬉しいです！更新頑張ってください！ (8月4日 21時) (レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
霙(プロフ) - にゃーちゃんさん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけてとても嬉しいです！徐々に色んな方を出して行きたいと思っていますので気長にお待ちくださいませ！ (7月14日 22時) (レス) id: c3d88da4d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霙 | 作成日時：2023年1月22日 23時
