＊ ページ28
ひとらんさんとエミさんと別れ、一人自室へと向かう廊下を歩く。時間も時間であるためか人は少なく、賑わう昼間に比べると随分と寂しい。
「〜〜〜」
「……っ…る」
どこかで言い争うような声が聞こえてきて、思わず隅っこの方に体を隠して顔だけを覗かせる。そこにいたのは、私の見覚えのある二人であった。
何か怒っているかのように幕尻立てるのは、チーノさんと共に挨拶をした第三皇子である。その表情は冷静沈着なあの時とは違い、随分と強気なものである。
そして、そんな彼と相対するのは琥珀色を伏せて寂しそうに笑うシャオロンだった。
明らかに二人の流れる空気は挨拶をする、なんて穏やかなものではない。飛び交う言葉の中で私が唯一聞き取れたのは、シャオロンの「……分かっとるよ」と悲しそうな声だった。
心臓が締め付けられるぐらいに、痛い。
これ以上二人を覗くことは出来ずに、反対方向に進んでいく。
いつも笑顔で太陽みたいな彼のあんな顔、見たことがない。そしてあんな悲しい声も。
なんだか今日は、ゆっくり眠れそうになかった。
.
.
.
「よっ、おはようさん！」
「………おはよう、ございます…？」
結局一睡も出来ずに、目元に隈を作った私は一人黙々と朝ごはんを胃に詰めていた。すると横からやってきたのは、爽やか100%のシャオロン。昨日の彼は見間違いであったのではないかというほどに、すっきりとした顔立ちをして、当然のように私の隣に座る。
「何で敬語やねん…って、隈ひどいけど寝れんかったん？」
「まあ…寝付けなかったんだ」
「ふーん。悩みとかか？」
「ううん。考え事」
「それ一緒やろ。オレで良ければ聞くけど」
彼の言葉はやはり優しい。そんな彼が昨日何であんな表情を浮かべていたのかやはり分からなくて、それを見せてもらえないこともどこか寂しい。
「いつも私のことばかり心配してくれるけど…シャオロンは大丈夫？」
「えっ、いきなりどうしたん？」
「……ほら、シャオロンはいつも元気だからたまには、その…落ち込むこととかないのかなって思って」
「ハッ 残念ながらないわ。オレは元気だけが取り柄やし！」
からりと快晴が浮かぶ。
それは眩しくて、眩しくて、なぜか目が痛かった。
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有馬(プロフ) - 大根おろしさん» お手数おかけしまして申し訳ありません。 (2020年10月15日 17時) (
レス) id: adf3e71480 (このIDを非表示/違反報告)
大根おろし(プロフ) - 有馬さん» あー、多分バグですかね？まだ立ってますねぇ (2020年10月15日 17時) (レス) id: 105c081382 (このIDを非表示/違反報告)
有馬(プロフ) - 大根おろしさん» 初めまして、報告ありがとうございます。初めに外していて何度も確認しているのですが……もしかしたらバグか何かだと思われるのですが、まだ立っていますかね？ (2020年10月15日 16時) (レス) id: adf3e71480 (このIDを非表示/違反報告)
大根おろし(プロフ) - オリジナルフラグ立ってますよ（小声） (2020年10月15日 5時) (レス) id: 105c081382 (このIDを非表示/違反報告)
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