お似合いな2人(S.M) ページ9
A「君は〜お〜も〜い〜でじゃな〜くて好きになって〜」
"罪と夏"を口ずさむAちゃん。
その隣で鼻歌を響かせる大晴くん。
2人は間違いなくお似合いだと思う。
A「夏やなあ、」
福本「そやなあ」
A「花火したい」
福本「俺アイス食べたい」
A「そんなん年中できるやん！」
正門くんを含め、3人は11年組の同期。
だけど2人には2人だけの世界があって、他のメンバーが絶対に踏み込めない境界線が存在する。
小島くんと大晴くんも仲が良いけれど、それとはまた違う何か。
それが何かと問われれば言葉にするのは難しいのだけれども。
A「来週地元でお祭りあるらしい」
福本「そうなん？」
A「うん…まあ行かれへんけど」
少し残念そうなAちゃん。
その隣で顔を覗き込む大晴くん。
福本「今度花火する？」
A「えっ！ほんまに？」
いつだって大晴くんはAちゃんを一瞬で明るくしてみせる。
目に見えないエネルギーを送るかのように。
A「晶哉も来る？」
突然話を振られて驚いた。
大晴くんもニコニコしながらこちらを見ている。
佐野「あー…俺は…」
俺はどうしたいんやろ。
2人の関係性を微笑ましく思っていることは確か。
だけど心のどこかでチクチクと傷付いているのもまた事実で、その原因は分からなくて。
Aちゃんと大晴くんが本当は恋人同士なのではないかと疑っては何故だか辛くなる日々。
そんな自分のことを自分でも理解できなくて混乱が続く。
A「何？私らと花火すんの嫌なん？」
佐野「そんなんちゃいますって」
A「はい！参加決定！」
福本「ほぼパワハラやで」
俺のことなんて誘わず2人で楽しめばいいのに―
A「こじけんも来るやろ？」
小島「行く」
A「よっしゃ！決まり！」
小島くんが参加することに心の底からほっとした。
A「晶哉と遊ぶん久々やな」
佐野「あー…確かに」
A「楽しみ〜」
佐野「そうですねえ」
認めたくない。
だって、大晴くんには絶対敵わないから。
ただでさえ原因不明の辛さが俺を襲っているのに、これ以上自分を苦しめたくない。
A「今君の〜は〜ち〜が〜つの全て〜くれないか〜」
再び歌い始めたAちゃんに目をやる。
その唇が動く度に心が揺れて、胸が苦しくて。
好きだなんて、絶対に認めない。
Fin
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わさび醤油(プロフ) - kkさん» 最後まで楽しんで頂き、こちらこそありがとうございました！今後も読んで頂けるように頑張ります！ (2022年8月17日 16時) (
レス) id: 9e28345530 (このIDを非表示/違反報告)
kk(プロフ) - 紅一点設定の短編集ずーっと楽しく読ませて頂きました！たくさんの素晴らしいお話をありがとうございました😍また新しい作品も楽しみにしています💕 (2022年8月17日 1時) (レス) @page50 id: 797470a670 (このIDを非表示/違反報告)
わさび醤油(プロフ) - なつきさん» ありがとうございます！次の作品もお楽しみに…！ (2022年8月16日 9時) (レス) id: 9e28345530 (このIDを非表示/違反報告)
なつき(プロフ) - 素敵なストーリーをありがとうございました。新しい作品を楽しみにしています！ (2022年8月16日 1時) (レス) @page50 id: 292579ac7e (このIDを非表示/違反報告)
わさび醤油(プロフ) - とんとんまるさん» 素敵なコメントありがとうございます！とっても嬉しいです。今後のお話もお楽しみに…！ (2022年8月13日 6時) (レス) id: 9e28345530 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わさび醤油
| 作成日時：2022年7月13日 2時
