つれない彼女(F.T) ページ28
ショートパンツから伸びた太腿。
白くて柔らかそうなそれに手を伸ばす。
福本「痛っ」
ペチッと音がして手の甲に軽い痛みが走った。
顔を上げればこちらを睨み付けるAと目が合う。
A「あかん」
福本「何で？」
A「…ここどこか分かってる？楽屋やで？」
Aの言う通り、ここは職場。
そんなことは当たり前に分かっている。
だけど余りにもその太腿が魅力的で、触れたくて仕方がなくて。
福本「ちょっとだけ！」
A「あかん」
福本「お願い！」
A「キモい」
つれない態度のA。
俺に構ってくれる気は一切ないらしい。
福本「今2人や〜ん」
A「でもここ楽屋やし」
福本「誰も見てへんで」
A「やからって何してもええ訳ちゃうで」
冷たい口調。
ほんまに俺のこと好きなん？
―と喉元まで出かけて飲み込んだ。
そんなめんどくさい質問、できる訳がない。
福本「そもそも何でショートパンツなん？」
A「何でって…別に何着てもええやんか」
福本「あかん」
A「何で？」
福本「他の人に見られるん嫌やもん」
呆れ顔で溜め息をつくA。
A「そんなん今更やん」
それはその通りなのだけれども。
メンバー同士、互いに付き合いは長い。
晶哉は他に比べて歴が浅いけど、そんなことを忘れてしまうくらい良い関係を築いている。
勿論メンバーのことは好き。
だけどそれ以上にAのことが好きで、ヤキモチを妬いてしまう時もある訳で。
A「着るもんくらい自由にさせて」
元々さっぱりした性格だと知っていたものの、時々寂しさを感じる。
俺だけが一方的に好きなんちゃう？
なんて思っては勝手に落ち込んだり。
福本「…おもち」
A「えっ？」
福本「Aの太腿、おもちみたいちゃう？」
A「褒めてる？貶してる？」
福本「めちゃめちゃ褒めてる」
Aが手を伸ばした。
その細い指が俺の頬を摘む。
A「おもちは大晴やん」
あかん、我慢できひん。
今すぐ抱き締めたい衝動に駆られた俺が腕を上げた瞬間、
福本「痛っ」
再びペチッと音がした。
A「あかん」
福本「も〜…」
A「帰るまでの辛抱やん」
それはつまり、
帰ったら好きなだけ触ってええってことやんな？
福本「…確かに」
幸せなお預けをくらった俺は緩む口角を抑えられないまま収録に挑んだのであった。
Fin
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わさび醤油(プロフ) - kkさん» 最後まで楽しんで頂き、こちらこそありがとうございました！今後も読んで頂けるように頑張ります！ (2022年8月17日 16時) (
レス) id: 9e28345530 (このIDを非表示/違反報告)
kk(プロフ) - 紅一点設定の短編集ずーっと楽しく読ませて頂きました！たくさんの素晴らしいお話をありがとうございました😍また新しい作品も楽しみにしています💕 (2022年8月17日 1時) (レス) @page50 id: 797470a670 (このIDを非表示/違反報告)
わさび醤油(プロフ) - なつきさん» ありがとうございます！次の作品もお楽しみに…！ (2022年8月16日 9時) (レス) id: 9e28345530 (このIDを非表示/違反報告)
なつき(プロフ) - 素敵なストーリーをありがとうございました。新しい作品を楽しみにしています！ (2022年8月16日 1時) (レス) @page50 id: 292579ac7e (このIDを非表示/違反報告)
わさび醤油(プロフ) - とんとんまるさん» 素敵なコメントありがとうございます！とっても嬉しいです。今後のお話もお楽しみに…！ (2022年8月13日 6時) (レス) id: 9e28345530 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わさび醤油
| 作成日時：2022年7月13日 2時
