《恋》2 (ページ10)

今日:1 hit、昨日:17 hit、合計:21,078 hit

・Y#60 ページ10

"雨降って来るよ"

佐々木さんの言う通り、外は雨。

傘を買うか、このまま我慢して帰るか。

二つある選択肢の中で

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「傘・・・忘れたん？」

『・・・うん』

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

彼の言葉がよみがえる。

もしかしたら・・・

そう思ってしまう私は

とてつもなく諦めの悪い女。

でも、もし

会えたなら

二度と

逃げないよ。

【踏み出した一歩】

【土砂降りの雨にも関わらず】

【向かう先はただ一つ】

ねぇ、廉くん

知らず知らずのうちに

"俺が頑張ればいいだけの話やし"

あなたを苦しめて

"でも・・・今はまだ言われへん"

待ってるって言ったのに

"もうちょっと・・・時間が欲しいねん"

待てなくて・・・ごめんね。

そして・・・

"今、友達枠一人空いてるよな？"

好きになってごめんね。

10階ー・・・

自分の涙なのか

濡れた髪から落ちる雫なのか

分からない。

『れ・・・廉くんっ』

会いたいっ

会いたいよっ・・・

淡い期待も砕け散った現実から

「・・・・やっと」

「会えた」

救ってくれたのは

紛れもなく、一番会いたかった人でした。