《恋》2 (ページ9)

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・R#59 ページ9

目紛しく過ぎる毎日だけが

今の俺を生かしてくれてる。

家に帰れば、中身は空っぽの人形みたいに

何もする気が起きひん。

結局、紫耀とも話せんまま。

後回しにする悪い癖。

それが一番あかんって事も

分かってんのに。

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仕事を終え、タクシーで家に帰っていると
軽快な着信音が車内に響いた。

♪♪♪

「もし「廉っ」

「どう「今すぐ紫葵さんのとこ行って」

「いきなり「いいから早くっ」

【全てが】

Aちゃん、今日会える？｝

｛ごめん、今日も遅くて。

ほんまちょっとでええから会われへんかな｝

｛また今度でもいい？

分かった｝

【繋がった】

"Aさんと会ったんだ"

"桜井さん達と行った店で"

"でも、もう辞めたって"

"お前が隠してたこと"

"もう全部知ってんだよ"

【瞬間】

【向かう先はただ一つ】

駆け抜ける夜道を次第に雨粒が濡らし始め

髪

服

靴

纏わりつく煩わしさを感じながら

あの夜を思い出す。

もう一度、現れてくれないだろうか。

俺の前に。

そしたら、二度と

嘘なんてつかないよ。