・R#91 ページ41
時刻は0時目前。
「おつかれっした！！」
車を降りて猛ダッシュ。
どんだけ家に帰りたいねん。と思われたに違いない。
エレベーターに乗り込んで
Aちゃんとのトーク画面を再チェック。
我ながらエグい量の発信履歴。
頼むから寝落ちとかであって・・・・
10階
時間的に気が引けるけど
インターホンを2プッシュして
Aちゃん家のドアに耳を近付けてみた。
バタバタバタバタッ。
え、足音するや『おかえり、廉くんっ！』
「あっぶねっ！」
勢い良く扉が開き吹っ飛ばされそうになった俺と
寝起きでも無さそうなAちゃん。
拍子抜けとはまさにコレ。
ちゃんと家着いてたんやー・・・
『だ、大丈夫？』
「・・・・」
『あれまだ荷物・・・「大丈夫やないわ」
『え？』
「Aちゃん携帯見た？」
『携帯？・・・あっ・・・携帯！！』
そこでやっと状況を理解したAちゃん。
『・・・全く見てなかった・・・』
見てなかっただけかーい。
「めっちゃ心配したんやけど！？」
『ご、ごめんなさいっ』
「俺寿命縮むかと思ったわ(笑)」
『ほんとごめんなさいっ』
「疲れて寝てもたんかなとか」
「新幹線乗られへんかったんかなとか」
『・・・ごめんね』
そう言って、どんどん表情が曇っていくAちゃん。
あかん、こんな顔させたかったわけじゃない。
・・・無事で良かった。
やっと・・・会えたんや。
『れ、廉くんっ？』
「元はと言えば俺のせいやな」
『え？』
「俺がワガママ言うたから」
『ちがっ「急いで帰って来てくれたんやろ？」
『・・・』
「ここはありがとうって言うべきやな」
『廉くん・・・』
「あーAちゃんー」
紛れもなく俺の腕の中におる。
「本物や〜」
『ふふ、本物だよ』
「ずっと」
『ずっと？』
「こーしたかった」
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作者名：ぽん | 作成日時：2022年10月25日 17時
