例のツンデレくん。 ページ2
「リーン！リーン！」
私は日が変わっても鳴き続けた。
疲れて、限界が見えても鳴き続けた。
「リーンッ！……りーんっ……りーんっ……」
ここら辺のトレーナーはもう全員先に行ってしまったのだろうか……
これはもう大人しく野生生活をエンジョイするしかないかな？と思っていると……
「……やかましいリーシャンだな……」
一人のトレーナーが顔を見せた。
そのトレーナーは長い赤髪で、目つきが鋭い……
……間違いなく、ゲームのライバルだった。
やかましいと言われたのは腹が立つけど、実際うるさかったからそれは仕方ない。
「……リーン！リーン！」
「うわっ、引っ付いてくんな！」
離れない、あんたが私をゲットしようと決めるまで絶対に離れないからな！
ライバル……仮名シルバーは私を必死に追い払おうとするが、数分すると諦めたのか、
モンスターボールを取り出した。
「チッ、仕方ねえな……」
ん？ちょっと？そのボール誰か入ってません？
私バトルする気無いんですけど？
「リ、リーン！」
そう気持ちを込めてシルバーに訴える。
「チコリータ！」
「……チコッ」
気持ちは伝わらなかったようだ。
というかチコリータって……可愛いの選ぶなシルバー……
なんだかチコリータに元気が無いような気もするけど、まずチコリータに戦う意思が無いことを……
「はっぱカッター！」
「チ、チコッ！」
「リ、リン！？」
……伝える余裕は無いようだ。
「リリンッ」
攻撃に当たるのは嫌なので、こちらにまっすぐ飛んでくるはっぱカッターを左右に避ける。
「そこだ！たいあたり！」
「チコッ！」
相手はこの好きを突いてたいあたりしてくる……が、
「リンリーン！」
ねんりきで無理矢理チコリータを止めてしまえば問題ない。
「チ、チコォォォ……！」
チコリータは必死にこっちに向かおうとするが、びくともしない。
あっちはレベル10行くか行かないか、こっちはねんりきを覚えているから14レベルぐらい、
抵抗出来る訳がない。
「無理矢理突破しろ！」
無駄無駄、無理矢理突破なんて絶対に……
「チ……コォ！」
「リンッ！？」
割と簡単に突破され、私はたいあたりを直にくらう、
油断しすぎた……
私は体制を立て直し、相手の隙を狙おうとする……
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作者名：ななつほし | 作成日時：2017年12月5日 18時
