【J.M】Noriu gauti【16】

608*確認の手段 ページ8

───目の前に、一ヶ月近く抱いてない体がある。



松本さんの切ない瞳と言葉が私の手足の自由を奪う。



・・・そんな目で見ないで。


松本さんに応えられなかった心の小さな自分を責めたくなる。



潤『その困った顔もそそられる。

あなた、何してもオレの感情を掻き乱すんだよ？

オレの心臓(ﾊｰﾄ)、ガッチリ掴んで振り回してるの。

振り回され過ぎて迷惑なくらい(笑)。

だからさ、』



両肩に触れた松本さんが、言葉を止めて一呼吸置く。



潤『オレからしたら、あなたは惚れた男を誘惑しまくってんだから・・・

それはもう破壊兵器並みの女子力なワケ。わかる？

この体にどうやって触れようかって・・・

どうやってベッドに連れ込もうかなって。

そんな事にしか頭を使えないくらい、可愛くて仕方ない存在なの。

ひとつだけ言うなら、オレはあなたのその女子力を底無しに求めてるってだけ。

オレは満足してない。

きっと一生満足出来ないくらい、あなたの女子力を感じてたい』



松本さんの紡いだ言葉が体に熱をもたらす。


そんな目でそんな風に私を堕とさないで。



潤『だから。

決定的な言葉が欲しい。

あなたがオレに応えられるんだって安心出来る言葉が。

それ頂戴？

もうとっくの昔に限界越えてんの』



躊躇う事なく紡がれた愛の言葉に溶けそうになる。



ねぇ・・・私が応えられるってわかってるのに、


私が松本さんに抱かれたいって心の底から求めてるのに。


なのにどうしてそんな風に戸惑うの？



「松本さん、伝わってますよね？」


潤『でも、聞きたい。

求められたいの』



その妖艶な微笑みが私を更なる限界に引き上げる。



松本さんの戸惑いの意味を肌で感じる。


・・・与えて貰うばかりじゃダメなんだって。



「松本さん・・・」


潤『なぁに？』


「応えられるか応えられないかは・・・

松本さんが私の体に確認して？」



《608*確認の手段》

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