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友への贈り物 ページ8

『いやあ、楽しかったよ!』


両手にいっぱいの荷物を持ってレフは万遍の笑みを浮かべる。
そんな彼に太宰は少しおかしそうに笑った。


「それ、全部例の友人のプレゼントだろ?」

『そうだけど…よく分かったね』


フョードルの事は名前を伏せて太宰に話した。
見知らぬ他人に名前を知られるのはフョードルの性格からして嫌がるだろう。
レフはヒョードルの表情が変わる様が好きだが本気で嫌がる事はしたくない。


「まあね。キミはもっと派手な物を好むだろう?なのに買ったものはシンプルな物ばかりだ」



ーーー全くその通りである。


『太宰君!君、凄いな!そうだよ、これ全部フェージャ君のプレゼントだ!』



「話していればわかるさ

それで?フェージャ君という名前…それって愛称?」




あっ、と声が漏れる。






『嗚呼…うん。そうだね』


先程、言わないようにしようと考えていたのに簡単に開いた口である。

楽しくなると口が軽くなるのはレフの悪い癖だ。




ーーーこれは、フェージャ君怒るかなぁ…




バレなければ良い話だろうが何処から聞きつけたのか
彼はいつも自分の知らぬ所で名前を知られると凄く不機嫌になる。





今、買ったもので機嫌が直るといいが…とレフは不安そうに両手いっぱいの荷物を見た。



そんなレフを他所に太宰はスっ、と目を細める。


「…ーーフェージャ君、ねえ?


それにしても、そのプレゼント…全部1人に贈るつもりかい?」


意味深に友の名を呟いた後、太宰は荷物を見て呆れた様にレフに言った。



『それはそうさ!
あ、勿論要らないと言われたら他の人にでも譲るよ。
生憎とこのアンティークも服も僕の趣味から外れているからね』


しかし、今までレフの買ったものをフョードルに拒否はされたことは無い。
大抵面倒そうにプレゼントを受け取るが、
時折送ったブレスレットや小物を使っている所を見ると嫌々、というわけではなさそうである。


「思ったのだけれど…」


『うん?』





「それ、本当に友達?

君、貢がされてないかい?」



そんな太宰の言葉にパチクリ、と瞬きをして









真逆!と、レフは大いに笑った。

疑惑浮上→←太宰治という男



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なはて(プロフ) - ものすごい面白かったです!作者様の気が向いたらでも良いので、続きを書いてくれたら嬉しいです! (2022年4月25日 7時) (レス) @page22 id: 72c776ebcc (このIDを非表示/違反報告)
天人鳥(プロフ) - すんごい続きが気になります…。更新お願いします! (2022年3月28日 19時) (レス) id: d581acac34 (このIDを非表示/違反報告)
塩じゃけ(プロフ) - この作品完結してしまったのでしょうか…?続きが気になります! (2021年5月1日 12時) (レス) id: 5986ae6a0e (このIDを非表示/違反報告)
二酸化酸素(プロフ) - わたくしさん» それなです〜ほんと色とかもつけて欲しいです。絶対上手い (2021年3月27日 23時) (レス) id: f6be19e74d (このIDを非表示/違反報告)
わたくし - 絶対デジタルで絵描いたら上手いですよ! (2021年2月7日 1時) (レス) id: 6ee51eba6b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユウリ | 作成日時:2019年7月16日 23時

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