ラブストーリーは突然に【短編集】 (ページ4)

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隣の増田くん 4 ページ4

「あ、そうだ！今日駅前で買ったクッキーならあるけど…食べる？」

祐「お？バレンタインクッキー？」

「違うけど、どうぞ」

祐「サンキュー」

視線を感じてそっちに向くと、じっと私を見つめる増田くんと目が合った

普段は3人で喋ったりするけど、今日はいつもより静かだった

「ん？あ、増田くんもクッキー食べる？」

『あ、いや、いい』

タイミング良く何を言おうとする増田くんの言葉を遮るようにチャイムが鳴った

祐「まっすー、好きな子からチョコもらえたらいいね」

『…うるせぇ』

増田くん好きな子居るんだ…そりゃそうだよね、好きな子ぐらい居るよね

教科書やノートを取り出そうと自分の鞄を開けたら、チョコが入ってる黄色い箱が目に入った

ピンクやハートの柄が入ってる箱や袋は本命にしか見えなくて、義理って言ってもそう見えると思って黄色にした

好きな子が居るって聞いた後は義理でも渡す勇気がない

その箱見て、ため息が思わず出てしまった