All I want for Christmas is NEWS！

with SK（side You） ページ41

イブの日。
職場の人はほとんど、残業もせず帰っていった。


いいなぁ。予定があるのね。


ゆっくり丁寧に作業したけど、大して遅くもならずに帰れる。
夜ごはんどうしようかなぁ。
冷蔵庫の中身を思い出しながら、スーパーに寄ることにする。

イルミネーション綺麗だな。
息が白い。とろりとした冷たい空気。



スーパーはすっごく混んでた。
ケーキやオードブルの受け取りカウンターが入口近くにできてて、人がたくさん並んでる。


いいなぁ。
クリスマスケーキ。
食べたかったな。チョコのケーキ。上にサンタさん乗ってるやつ。
１人でケーキ買って１人でおうちで食べたら泣いちゃいそうだから、やめる。



普通に食材選んで、普通のごはん作って食べよう。

夜更かししちゃおうかな。DVDとか観て。
小さい頃のクリスマスイブほどドキドキして眠れなかったことなかったけど。
きっと今日も眠れない。
別にいいんだけどね。サンタさんは来ないし。

素直じゃない大人の私に、サンタさんはもう来ない。



買い物して、１人でお部屋に帰ってきて、ぼんやり。
シゲが買ってきてくれたツリーを眺める。
可愛いなぁ。



一緒に飾り付けした日のことを思い出して、胸がきゅんとする。
会いたいなぁ。
ちょっとでいいから。

なんて。
言えないけど。



すきで付き合ってるんだから、わざわざ言わなくてもいいでしょ、っていう派のシゲに合わせて、私も言わない。
「会いたい」とも「だいすき」とも言わない。言わないでいたら、すっかり言えなくなっちゃった。
いつもいつも思ってるけど。


伝わってないだろうな。
私がこんなにシゲのことだいすきなのも。
だいすきなクリスマスに、だいすきな人と一緒に過ごしたい、なんてただの小さな女の子みたいに思ってることも。

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