タンバリンを鳴らせば (ページ9)

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「こんにちは、加藤さん。」

加「こんにちは。元気ないけど、どうしたの？」

「いや、昨日、寝れなくって。」

加「シゲアキは？」

「昨日も呼んだら来てくれたんですけど、ちょっと、いろいろあって。」

加「なに？」

「昨日、聞いたんです。外のこともわかるって。だから、祐也とのこと知ってるかって。そしたら、知ってるって。忘れろって言われました。でも、まだ、忘れらんない。ゆっくりでいいって彼は言ってました。そのあと、今日は帰るって。」

加「そっか。手越とAのこと、知ってたんだ。って、手越は持ち主だったんだから、知ってるか。」

「そうですね。そういえば、小説の方、どうですか？」

加「もし、Aが良かったらだけど、Aとシゲアキの話、書きたいなって！ダメかな？」

「そんなんでいいんですか？私は全然構わないですけど。」

加「それで、悪いんだけど、手越とのこと、改めて、聞かせてくれないかな？」

「はい。わかりました。」

加「ありがと。でも、明日にする？」

「えっ？」

加「ほら、今日、寝れてないんでしょ？気持ちの整理とかもあるだろうし。」

「ありがとございます。じゃあ明日でお願いします。」

やっぱ加藤さんは気が利いてて優しい人だな。