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「あああぁぁぁぁ…嘘、嘘や…ごめん、ホンマにごめん……お願い、謝るから…これからもっとちゃんと伝えるから…ごめん、なぁ、ごめんって。なぁッ!!」





「ッ、はぁッ、はァっ、…」


ガバリ!と勢いよく布団をひっぺ返して起き上がる。
ドッドッドッ、と心臓はうるさく鳴って身体中には嫌な汗が噴き出していた。

何だかよく分からないが、嫌な夢を見た。
最後に俺は泣きながら言っていたセリフだけが頭に残るばかりで、それ以外は記憶にない。
ただ嫌な夢を見たと言うことだけが分かっていた。

身体中に吹き出してしまった嫌な汗をどうにかしたくてすぐに服を脱いで風呂に入る。

朝早い時間だったために、彼女の姿は見当たらない。
彼女は幽霊であるために睡眠を必要としないらしい。
キッチンの方から小気味の良い包丁の音が聞こえたことから、きっと朝食を作ってくれているのだろう、と想像できた。

洗濯機の前にある洗濯かごの中に脱いだ風呂を入れて、浴室へ入る。

一気にシャワーの蛇口を捻れば、すぐにお湯が出てきて嫌な汗を洗い流してくれた。

訳の分からない悪夢に強制的に起こされてしまったが、朝早くに起きてシャワーを浴びることにあまり腹は立たなかった。


「志麻さま?起きたんですか?」


風呂の扉越しに大きな声が聞こえる。
普段そんなに早くは起きない俺がシャワーを浴びているのだから彼女も少し驚いたのだろう。


「ああ起きたわ。ちょっと悪い夢見てな〜!今上がるから待っとってー」


そう言えば分りました!では朝食を並べておきます!だなんていつもの調子で元気に答えてキッチンの方へ行ってしまった。
ペタペタと足音も聞こえたので、きっと走って行ったのだろう。
実に彼女らしい。

風呂からあがり、身体を拭いて、適当に置いてあったラフな格好のTシャツを着てキッチンへ向かう。


「………あ、」


けれど、笑って朝食を並べる彼女の姿に───いや、Aの姿に俺は固まって動けなくなってしまった。

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作者名:作者一同 x他4人 | 作成日時:2020年4月5日 19時

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