虹を待つ (ページ22)

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Aに見送られて家を出る。

｢頑張ってなー、｣

緑｢うん、なんとかやります！｣

｢はー、い、ふぁ…｣

眠い中無理やり起きて見送ってくれたAのあくびに気を抜かれつつ、今日が頑張りところやと気を張り直す。

たぶんここで平気ならずっとやっていけるとおもう。

役者もやった事あるんやから、しげの思う、神山智洋を演じればええんやから。

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緑｢おはよーございます！｣

黄｢お、おはよう｣

青｢おはよぉー｣

桃｢神ちゃん！！大丈夫！？｣

楽屋にいったら淳太くんと流星とのんちゃん。

珍しいな…。のんちゃんが早いって。

緑｢あ、うん。ほんま、迷惑かけて、｣

桃｢そんなん！神ちゃんが調子良くなったらそれでええねんで！｣

青｢こいつ、こんなん言ってるけど、神ちゃんいつ戻んのぉ？って泣いとってんでー｣

桃｢ちょ、それ言ったらあかんやつやん！｣

あ、今のやりとりで俺、こいつらの元に戻ってきたんやって思った。
思いのほか子供の期間が長かったんや…。

緑｢…ふふ、のんちゃん、ありがと｣

桃｢あ、うん、全然！｣

…なんや急に俺の顔みて目キョロキョロさせて。

黄｢なんやぁ、神ちゃんAと暮らしてたからかな？可愛なった？｣

緑｢え、ほんま？｣

淳太くんってほんまに褒める時は褒めてくれるし、…ほんまなんかな？

桃｢うんうん！俺もそう思う！｣

青｢なんかなぁ、笑い方が柔らかいっていうんかな？｣

のんちゃんも流星も、淳太くんと同じこと言ってくる。

緑｢…全然わからんけど｣

黄｢ま、あんま気にせんとさ。しげらももうちょっとで着くってー｣

緑｢…あ、うん｣

気持ちの準備、しとこ。

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赤｢おはよーございまーす｣

みんなが揃って最後にしげが到着。

あれ？いっつもならうざいくらいのハイテンションやのに、今日は静か…？

黄｢おー、おはよ、｣

紫｢なんや、今日はしげ静かやなぁ｣

赤｢そういう気分の時もあんねん！｣

橙｢その声はちょっと、うるさいわー！｣

赤｢え、まじ？｣

橙｢なんや、静かにしたいん？｣

赤｢ん？んー、まぁ、みんな静かなしげちゃんも見たいかなって｣

紫｢見たないわ！｣

青｢変なしげー｣

赤｢変ちゃうわ！｣

ほんま、変なしげ。

でももっと変なんは俺。
しげの声聞いただけやのに、どきどきして、ほっぺ赤くないかな…？

しげは一言も話さない俺に何を思ったのかじっと見てくる。

その視線には気づいていないふりをした。