就寝時間と深夜徘徊 ページ35
走る銀魂校組を見送り、くるんと神威の方に向き直った。
「神威、消灯時間だけど送っていこうか?」
素直に帰ってくれるのが嬉しいので、首をかしげながら聞いてみる。
この人、自分の部屋がどこだか分かっているかも怪しいもんね…。一応、本人たっての希望により1人部屋だけど、それがまた不安だよねぇ。
と、1人でブツブツ考え込んでいた途端にグイ、と手を引かれた。
「センセー、送って行ってくれるんでしょ?」
「ん?あ、おぉ。もちろん」
突然引っ張られたせいで、カクンカクンとおかしな歩き方になってしまったが、必死で返事をした。
「神威さん手ぇほそーい」
「センセーの手ってなんかゴツゴツしてない?」
「あ、筋肉かも。最近筋トレにハマっててね?昔つけた筋肉が落ちちゃうとたるむし寂しいからさ!」
「ふーん」
「神威は筋トレとかしないの?あ、でもあたしも学生の内は筋トレなんて考えてなかったかも。勝手につくしねぇ」
体制を立て直し、自分の腕を揉んだ。
まぁ、どっちかって言うと細マッチョっていうと、彫刻みたいな芸術的センスのある筋肉してそうだよね、神威さん。
「芸術的筋肉ってどんな感じ?」
「え、あ、もしかして口にでてた?」
「センセーってよくペラペラ喋るけど、意識してないの?」
「んー、どうなんだろ。結構話す方だってよく言われるけど、今みたいに何が口にでてて何処までが頭の中なのかちょっとあやふやになるんだよね…」
苦笑しつつ頬をかくと、神威は興味を失ったのかクルクルと自分の毛先を弄りだしていた。
枝毛チェックですかね?ホント何しても絵になる美人だよ、神威さん。
「カッコイイじゃなくて美人?初めて言われたよ」
「またやったか…いいや。うん、美人だと思う。あ、駄目だった?嫌?そうだったらごめん」
「別に気にしてないけど、俺女っぽいってこと?」
首を傾げると、少し湿り気を帯びた髪がひと房流れ落ちる。色気でクラクラしそう…。
「いや、それぞれの辞書で違った筈だけどね。要約するとそのまんまの意味で、美しい人は男女問わず美人って言えたと思うよ」
「へぇ、さすがセンセ…」
ピタリと動きを止め、急に私のことを凝視し出す神威。
吸い込まれるような、とそんな在り来りで居て浮世離れしたような例えを感じる事は始めてだった。
そのせいか、よく分からないままに張り詰めた雰囲気になった気がして、息を呑む。
少し目を細めたかと思うと、ゆっくりと口を開き…。
「センセーって何科の先生なの?」
「え…そ、そこからぁ?」
思い出す前に知らないんだっけ…この坊ちゃん…。
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じょうぎ - 楽しく読ませていただいています!更新頑張ってくたさい! (2020年4月24日 17時) (レス) id: 584ba0be0a (このIDを非表示/違反報告)
にわとり(作者) - 今日からちょこちょこ投稿したものの修正をして行きますので、ストーリー自体は変わりませんが、掛け合い等は変化していると思います。よろしければご覧ください…… 。 (2019年3月25日 16時) (レス) id: 3dc5cde6ef (このIDを非表示/違反報告)
にわとり(作者) - 紺15さん» コメント有難うございます。面白いといっていただき、とても嬉しいです!なるべく早く更新していこうと思うので、よろしければご覧ください… (2018年12月18日 22時) (レス) id: 26755ac849 (このIDを非表示/違反報告)
紺15 - 初コメ失礼します。とっても面白いです!更新がんばってください!応援してます。 (2018年12月17日 21時) (レス) id: 066ea7ef76 (このIDを非表示/違反報告)
にわとり(作者) - 幽銀さん» 是非とも拝見させて頂きます! (2018年8月20日 10時) (レス) id: bc63f6c7e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にわとり | 作成日時:2017年12月27日 21時