IF…吸血鬼カムイと姫 ページ20
※R15です。それ以下の方はこの回は飛ばしてください。
…昔、昔。
そう言っても差し支えないほど昔の話。
様々な種族が集った、青く美しい星があった。
これはそんな星で二人の人ではない者の交流を描いた話…。
***
「い・や・だ!」
「はぁー、ちょっと分けるだけでいいんだけど?」
「私には血を少し分けるって言う概念が無いんだよ!」
美しく飾られた1室の豪勢なベッドの上で、同じく美しい二人の男女が攻防を繰り広げていた。
方や、頭と腰に回された手を引きはがそうと、男の胸板を腕で押し返しながら。
方や、離してなるものかと回した腕に力を込め、女を抱きすくめようとしていた。
「私の血なんて美味しくないよ!」
「妖族の血は淡白で美味しいんだよ?」
「知りたくなかった!」
「知らせてよかった」
一見、仲良く見えなくもない掛け合いを繰り返している二人だが、女は必死だった。
…なんせ、自分の血を吸われそうになっているのだから。
女は、妖精と呼ばれる者を統べる王。
青き星から自分の星を統治していた。
男は、吸血鬼を統べる王。
武力により、ピラミッドの頂点に立つのが彼。
…その二人が何故、ベッドの上で争っているのか。
「だから、血。ちょうだい?」
「いきなり得体の知れない奴に血ぃよこせるか!」
彼女の血が飲みたい吸血鬼の王と断固拒否する妖精の王、といった感じだ。
…が、埒が明かないと考えたのか、妖精の王が先に折れた。
「…いいよ…分かったよ、飲めばいいさ、飲めば。」
「あ、ホント?…じゃあ、さっそく…」
「ただし!!!」
牙を突き立てようと、首に唇を寄せた途端大声を上げられ、迷惑そうに顔を上げる吸血鬼の王。
「…ナニ?」
「気を失うまで血を吸わないで!」
「…………分かったヨ」
「何今の間、怖い!」
肩に、ぬるりと生暖かい何かが触れたと思ったら、ブツリと肌を裂く感触の後熱が奪われる心地がした。
余程焦らしたのが悪かったのか、熱い吐息を吐きながら舌を使って何度も舐め上げられ、ゾクリと、それによる快感に打ち震えた。
「…っは…んぅ」
何とか口を噛み締めて堪えると、彼の手が口に伸びてきて口内をかき乱した。
…そのまま。と彼の声が聞こえた。
指が歯列をなぞり、ゆっくりと舌を絡めとられ、口から溢れた唾液がつぅ…と流れた。
「…ん、はぁ…」
ぐちゅぐちゅと音を立てる口にから、指が抜かれ、名残惜しく見詰めてしまう。
クスクスと笑い声が聞こえる。
「…吸血って、催淫効果による中毒性があるんだよネ」
「……………え"」
この日、一人の女の悲鳴が響いた。
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じょうぎ - 楽しく読ませていただいています!更新頑張ってくたさい! (2020年4月24日 17時) (レス) id: 584ba0be0a (このIDを非表示/違反報告)
にわとり(作者) - 今日からちょこちょこ投稿したものの修正をして行きますので、ストーリー自体は変わりませんが、掛け合い等は変化していると思います。よろしければご覧ください…… 。 (2019年3月25日 16時) (レス) id: 3dc5cde6ef (このIDを非表示/違反報告)
にわとり(作者) - 紺15さん» コメント有難うございます。面白いといっていただき、とても嬉しいです!なるべく早く更新していこうと思うので、よろしければご覧ください… (2018年12月18日 22時) (レス) id: 26755ac849 (このIDを非表示/違反報告)
紺15 - 初コメ失礼します。とっても面白いです!更新がんばってください!応援してます。 (2018年12月17日 21時) (レス) id: 066ea7ef76 (このIDを非表示/違反報告)
にわとり(作者) - 幽銀さん» 是非とも拝見させて頂きます! (2018年8月20日 10時) (レス) id: bc63f6c7e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にわとり | 作成日時:2017年12月27日 21時