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姉とご飯とご兄妹 ページ22

「こんなお姉ちゃん欲しかったアル!」

ボソッと、顔をそむけながら呟いた言葉は正確に音をなさず、空気に溶けていった。

「…?、どうした?神楽」
「…何でもないネ!」

二人の仲が良さそうな会話を眺めながら、微笑ましい気分になる。

「いーねー、仲のいい兄妹…」
「…センセーは兄弟いないの?」
「残念ながら。」

仲のいい、と言うと、少し顔を赤くした神威が話をそらすために聞いた。
…あいにく、私には兄弟がいない。
もしいたら、完全にシスコンブラコンになっていたと思う。

そう、鼻息荒く言うと「そんなに良いもんかな」と、少し引き気味に言われた。

一人っ子の寂しさを知ってから言って欲しい。

ズルズルと神威の腰にしがみつきながら、「いーなー、いーなー」と繰り返す。
少しうっとおしそうだったが、しばらくすると諦めたのか無視されたので、とりあえずしがみついておく。

「センセイの妹だったら、いつでも大歓迎ネ!」
「なんて嬉しいことを!」

神楽の暖かい言葉に、ガバッと神楽に抱きつく。
神威の妹と思えない程優しい!
…いや、神威もツンデレなだけで結構優しいんだけど、それはさておき。

「私も神楽だったらすぐさま妹に迎えたい!」
頬ずりをしながらにこにこと言った。

…が。

「神威とケッコンしたら、ワタシのお姉ちゃんになれるアルヨ!」
「えー…」

思わず神威の顔を見る私だったが、涼しい顔で味噌汁をすすっていた。

「よそで暴力沙汰起こしてそうで怖い」
「センセー目ぇ離したら台所爆破しそう」
「半壊に決まってんだろ!!」

お互い、好き勝手言ってるとにこにこと嬉しそうな顔を崩さずに「そうアルか」と、すぐに引き下がった。

「ん、んー。じゃあそろそろ帰るよー。ご飯代置いとくねぇ」
「また来てネ!」
「また来るよー」
「……」

一人、不服そうな顔をしていたが構わず笑顔で手を振って玄関から出る。

****

帰り道は何事も無く帰宅し、風呂に入り、布団に入った。

「…はぁ、今日も1日疲れた…」

布団の癒しを噛みしめるように自分の身体を抱きしめて毛布に顔をうずめる。

…ふと、神楽の言葉を思い出す。

「…神威と結婚、かぁ…」

毎日ご飯がおいしそうだ、とは思うがときめきも何もなかった。
そもそも、相手も願い下げだろう…きっと。

そう考え、背中を丸め押し寄せる睡魔に抗うことなく身を委ねた。


×××××
久々に字数オーバーしてなくてテンションあがる……

学校と私と校舎裏。→←昔と私と白もじゃと



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じょうぎ - 楽しく読ませていただいています!更新頑張ってくたさい! (2020年4月24日 17時) (レス) id: 584ba0be0a (このIDを非表示/違反報告)
にわとり(作者) - 今日からちょこちょこ投稿したものの修正をして行きますので、ストーリー自体は変わりませんが、掛け合い等は変化していると思います。よろしければご覧ください…… 。 (2019年3月25日 16時) (レス) id: 3dc5cde6ef (このIDを非表示/違反報告)
にわとり(作者) - 紺15さん» コメント有難うございます。面白いといっていただき、とても嬉しいです!なるべく早く更新していこうと思うので、よろしければご覧ください… (2018年12月18日 22時) (レス) id: 26755ac849 (このIDを非表示/違反報告)
紺15 - 初コメ失礼します。とっても面白いです!更新がんばってください!応援してます。 (2018年12月17日 21時) (レス) id: 066ea7ef76 (このIDを非表示/違反報告)
にわとり(作者) - 幽銀さん» 是非とも拝見させて頂きます! (2018年8月20日 10時) (レス) id: bc63f6c7e4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:にわとり | 作成日時:2017年12月27日 21時

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