わぁ…転生トリップってホントにあったんだ……どうでもいいか

十四 ページ16

「……」


そういえばJが痴漢対策で造った試作品、置いていってたな
確かポケットに入れっぱなしだと思ったけど…

そうして唐突にポケットを探り始めた僕に不良たちが警戒する

あ、あった

ずいっ


「「!!……?」」


けれど、目の前に差し出されたものを見て不良たちの目が点になる
僕が取り出したもの、それは一見何処にでもあるボールペン


…でもJが造ったものだからな

前に聞き流した説明通り赤いボタンを押すと、ボールペンの先から花束がぼさっと出てきた
ますます不良たちが怪訝になる

と、その不良たちの目に花束の隙間から発射された粉の塊がぶつかった

因みにタバスコ、胡椒の粉の塊だ

そんなものがまともに目にあたったのだから当然、痛みもあるわけで


「「ぎゃああああ!!」」


不良たちの声が響き渡った


さて、いい加減行こう
関わりあいになりたくない

きびすを返して歩き始めると…


「やぁ見つけたよ」

「……」


何故か雲雀恭弥が僕の前にいた


「この間は逃げられたからね。今日こそ戦ってよ」


この間って…運動会だろう?
随分前だな

というか


「………断る」


こんな寒い日に戦う?冗談はやめてくれ


「貴方の意見は関係ない」


じゃあどうしろと…


「……」


……無視しよ

僕はまたもや踵を返して、家へと帰った


「逃がさないよ」


僕が一体何をした

そう思った瞬間雲雀恭弥の携帯が鳴り、動きが止まった
丁度いい、このまま帰ろう

そのまま帰ってその日一日家から出なかった

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