夏色の君は知っている

やったー! ページ10

「ただいまー。」

「あ、お姉ちゃん、お帰りなさーい」

「奈子! お姉ちゃん帰ってきたんだから早く寝なさい！ 彩も、早くお風呂入って!」

切れ気味。。。

「はーい」

階段を上って部屋に入り、ベッドに腰をかける。



ドクドクドクドクドクドク

私の。。。心臓
うるさい
気づいたら、鼓動が今までにないくらいに早くなっていた。

深呼吸!
はあ、、、


なんだろ。
この気持ち。
こんなの、初めてかも。

微妙にクラクラして、胸のあたりが、なんか、重くて軽い感じ。
すごくいい気分なのに、なぜか不安で。
全身が熱くて。。。
心臓の音が、聞こえる。。。

そして、心が叫ぶ。

上杉くんに、誘われたーーー!!!!!
夏祭りに、誘われたーーー!!!!!
うう、上杉くんのファン達に見られたら、殺されそう。。。
どうしよう!

「彩‼ 上杉くんから電話よ！ こんな時間にかけないでって、伝えときなさいね。まったく、最近の子は。。。。」

え、上杉くんからの電話、何ヵ月ぶりだろ。
なにかあったのかな。

ドクドクドクドクドクドク

あー、もー

心臓さん、お、ち、つ、い、て！

「はい、変わりました。 彩です。」

息を飲む気配が伝わる。
はて?

「う、上杉くん?」

「あ、ご、ごめん。俺、あの、立花に電話すんの、久しぶりで、さ。」

「あ、そうだったんだ。それなら良かった。で、どうしたの？」

「あの、夏祭りのことなんだけど、さ。ほんとに、俺で、いいのか。」

ドキッ

「え、なんで。」

急な質問に、すごく困った。
え、だって、どういうこと?
私、ちゃんとオーケーしたのに。。。

「いや、だって、俺、なんか、急に誘っちゃったし。。。 なんか、ちょっと強引だったかな、って、急に思って、さ。」

上杉くんもこんなに小さいこと気にするんだね。
ちょっと可愛いかも
クスクス

「ううん、全然そんなことないよ。しかも、私、本当に上杉くんと夏祭りに行きたかったから、オーケーしたんだよ。今だって、すごく楽しみにしてるよ。だから、上杉くん、心配しないでね。」

静寂。。。

「あれ、上杉くん？」

「あ、あ、わかった。急にごめんな。じゃ、な。」

ガッチャン

はて。。。
一体なにが？
ま、いっか。

。。。。。5分後。。。。。。

電話がなり始めた
はて、だれだろ。

「もしもし、立花です。」

「もしもし?」

黒木くん？

「アーヤ、上杉になにかした？ あいつ、完全に死んでたけど。」

え、なんでえ？？

ーーーーー
黒木 玲奈

浴衣→←知らないから

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す