＊ ページ13
「んじゃ一虎くん、餌やりお願いしますね」
「･･････掃除、まだだから」
「掃除の
「クッ」
俺は相変わらず、動物とは仲良くなれずにいた
そう簡単には無理だとわかってはいたが、俺は今日も猫に引っ掻かれ、犬に吠えられた
ただ前にAに教えてもらったおかげで、ウサギは少し慣れた。Aみてーに懐かれてる感じは全くねえけど
(暴れられはしなくなったけど、耳がピンピン立つんだよな)
A曰く、ウサギが耳を立てるのは基本的に警戒してる時らしい
(･･･････なんで俺って、こんな動物から警戒されてんだ)
「にしても、どうして一虎くんは そう動物に警戒されるんでしょうね」
「･･･」
おーよしよし。と猫を抱き上げる千冬
「やっぱり動物には色々とお見通しなんですかね」
「どういう意味だコラ」
「一虎くん、動物に何か悪い事でも したんじゃないですかー？」
「････････････そういやガキの頃、アリを潰しまくったな」
幼い頃＿＿自分の家の前にいたアリの行列を、よく指でプチプチ潰していた記憶を、ボンヤリ思い出す
千冬は「あー」と言いながら猫と目を合わせた
「お前達も、このチンピラが怖いかー？近寄ったら潰されちまいそうだもんなー」
「お前を潰してやろうか」
軽く舌打ちをかまし 視線を逸らすと、ふと店のカレンダーが目に入る
(･･････あと2週間で大晦日。もう今年も終わるのか)
俺は兎を胸に抱いたまま、窓から空を見上げた
·
「もう･･･出所して2ヶ月経ったのか」
·
───
─
『ああ〜･･･ホント寒いっ』
大学の講義が終わり、Aは腕をさすりながら外へ出た。口から白い息を吐き、それを見て『ふふっ』と笑う
(帰りもペットショップ寄ろっかな･･･───ん？)
その時、ふと校門前がザワついてる事に気付く。そしてザワつく生徒達の間から見えたのは
とても見覚えのあるガラの悪い男達だった
「え、ちょっとアレなに･･･不良？」
「怖い」
「なんでうちの大学の前で たむろしてんの･･･？」
『･･･』
＿＿＿「ん？」
チンピラ集団の一人と、目が合った。
「あー！Aさん！お疲れ様ッス！！」
「「「お疲れ様でえええす！！！」」」
私の大学生活が終わった瞬間だった。
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綾林檎 - あいこさん» とっても嬉しいです！ありがとうございます (2021年11月5日 8時) (
レス) id: 2125adda19 (このIDを非表示/違反報告)
あいこ(プロフ) - まだ途中までしか読んでないですが、キュンキュンしちゃいます！ (2021年11月2日 20時) (レス) id: 2a2413d9a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾林檎 | 作成日時：2021年10月20日 20時
