タイミング ページ35
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「―――久しぶりに君の異能を見たよ
相変わらず素晴らしい能力強化だね」
今私はまさに、―――ポカン、だ
私の頭を撫で回し「さすがだねぇ」と微笑む太宰、投げられた筈のサバイバルナイフを持って資料室の入り口に立つ国木田さん、そして、申し訳なさそうに笑う、先刻まで震えていた男
(・・・・・・何?)
「すいません、自分、谷崎っていいます
さっきのは細雪って異能で・・・・あ、
初めまして、ですよね。学校の都合で
一寸の間、お休みをもらっていたので」
『は、はぁ』
「彼は探偵社の助手みたいなものだよ」
『へ、へぇ、それで、この状況は・・・?』
「小娘、怒るなら太宰に怒れよ
此の入社試験は其奴の独断だ」
「ふふ、協力感謝するよ、国木田君谷崎君」
にゅ、入社試験・・・・・仕組まれた、入社試験・・・
「三つ目の選択肢は之だよ、A」
『う、嘘・・・・』
「ほんと」
先刻の黒く貼り付けた笑みは何処へやら、ニコニコ愉しそうに笑いながら「選んだのは君だよ?」と、トドメをグサリ、――じゃ、じゃあ・・・・私は・・・
「正式に、武装探偵社へようこそ」
『わ、私はっ!』
「ん?」
(潜入中だ!なんて此処では云えない・・・)
其れを判ってるからか太宰は一層愉しそうに笑っている、腹立たしい、――太宰も、まんまと嵌められた自分も、実に腹立たしい
―――まずい、之は本当にまずい
下手したら組織に対する裏切り行為、否、下手しなくても完全に裏切り行為だ。罷免か、或いは・・・・――
ブルり、考えただけで全身が震えた
(――・・・・・兎に角まずい)
『太宰、アンタはなんて事を・・・・』
「無断外泊の罰だねぇ」
『全く割りに合わない罰だよ!!』
「之に懲りたらもうしない事だね」
・・・・・そうまでして私を武装探偵社に引き込みたいか、ポートマフィアを抜けさせたいか、――なんにしてもやり方が大胆且つ無茶苦茶である
” 善い功績を期待しているよ ”
―――嗚呼、ボスに何て報告すれば・・・
(・・・・・いっそ隠し通すか)
________prrrrrrrr・・・・・
ビクッ
「A、鳴ってるよ?」
『ああ、う、うん・・・』
私の心の内を読んだかのようなタイミングで鳴り響いた携帯、――着信の相手、液晶に表示されている名前は・・・――
” 森 鴎外 ”
________終わった・・・・
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ハウスダスト(プロフ) - 中也さん…。いいやつだなぁ…。 (2017年12月4日 21時) (レス) id: aedc87e387 (このIDを非表示/違反報告)
十音 - 中也アアアアアア哀しい。 (2017年8月25日 23時) (レス) id: e1078df416 (このIDを非表示/違反報告)
十音 - お疲れ様でした!とっても面白かったです! (2017年8月25日 23時) (レス) id: e1078df416 (このIDを非表示/違反報告)
十音 - うわーん(涙) (2017年8月25日 23時) (レス) id: e1078df416 (このIDを非表示/違反報告)
十音 - なんと!宣戦布告っていう言葉がそのまま出てきた! (2017年8月25日 22時) (レス) id: e1078df416 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:七森 | 作成日時:2017年8月15日 17時