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彼の人柄 ページ27

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―――どうしてこうなった・・・?




乱歩さんに腕を引かれ社を出て数十分

辿り着いた場所は、―――アレなホテル


その時点で私は口をあんぐり、乱歩さんは飄々と自動扉を潜って中へ入った、勿論私の腕を引いて


そして今、割と小綺麗なロビーの椅子で、向かいに座ってらっしゃる名探偵江戸川乱歩、――もう一度云おう


―――どうしてこうなった?



『あのぅ、乱歩さん・・・?』

「何?」

『えっと、此処には何をしに?』

「んー、何したい?」

『へ?』



(ま、まさかの質問返し・・・?)


出来れば何もしたくないんだけど・・・そして早急に帰りたいんだけど・・・ついでに云えば矢っ張り取っ付きにくいんだけど此の人!



「まぁする事は一つしかないよね」

『え、えっ?』


徐に立ち上がったかと思うと、私の真正面迄来てトンっと手すりに片手を付いた乱歩さん

目と鼻の先で腰を曲げる乱歩さんの影にすっぽり収まった私には、其の緑の瞳が厭に光って見える。――ゴクリ、息を飲んだ



『あの乱歩さ__ 』

「うん、ちょっと動かないでね」

『うっ、え!?』



次の瞬間、何処かの莫迦と負けず劣らずの綺麗な手が伸びてきて、私の脇腹に触れた。――そして、ズボッと・・・



(・・・・・・ん?)



―――ズボッと・・・?



「矢っ張りあった」


と、あっさり離れて元の椅子に戻った乱歩さんの手には、――・・・羊羹、今朝出勤途中に商店街のおばちゃんに貰ってポケットに入れてたやつだ



『よ、羊羹を・・・』

「そう、僕の前で菓子を隠し持ってるなんて
 中々いい度胸だねA、――でも残念

 僕に隠し事は出来ない!覚えとくといいよ」

『は、はぁ』



なんか・・・案外子供っぽい・・・

――此の一連の流れで思ってたより取っ付きにくい御人ではないという事に気付いた、うん、――・・・・うん?



『結局此処へは何をしに?』

「だから一つしかないだろ、仕事だ」

『仕事?』

「そ、名探偵の仕事」



と、――此処で、「待たせたな名探偵」と、いかにも刑事って様相の男が自動ドアを潜って駆け寄ってきた


嗚呼、成る程



「此処の五階で殺人事件があってな」

「説明はいいから早く現場に行こう」



――誰だよアレなホテルで殺人事件なんて起こす莫迦は、もっとマシな現場を選べよ、――傍迷惑な・・・



「A早く、置いていくよー」

『はいはーい』



まあ、名探偵の人柄が少しだけ判ったから善いか




.

無自覚苦労人→←鈍感の訳



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ハウスダスト(プロフ) - 中也さん…。いいやつだなぁ…。 (2017年12月4日 21時) (レス) id: aedc87e387 (このIDを非表示/違反報告)
十音 - 中也アアアアアア哀しい。 (2017年8月25日 23時) (レス) id: e1078df416 (このIDを非表示/違反報告)
十音 - お疲れ様でした!とっても面白かったです! (2017年8月25日 23時) (レス) id: e1078df416 (このIDを非表示/違反報告)
十音 - うわーん(涙) (2017年8月25日 23時) (レス) id: e1078df416 (このIDを非表示/違反報告)
十音 - なんと!宣戦布告っていう言葉がそのまま出てきた! (2017年8月25日 22時) (レス) id: e1078df416 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:七森 | 作成日時:2017年8月15日 17時

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