未だに魚の気分 ページ13
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_____武装探偵社
「太宰、其の娘は何処で拾ってきた」
「――手錠?太宰さん捕まったんですか?」
「私と同じ匂いがする」
手錠で繋がれ探偵事務所に連れてこられた私を見た社員の反応は十人十色、――てか、信用無いな太宰
「国木田君、彼女はA、うちの社員にする」
「はぁ!?貴様はまたっ__ 」
「淳君、逆だよ、私が捕まえたんだ」
「わぁ」
「―――其れから鏡花ちゃん
素晴らしい嗅覚だね、正解だよ」
「え・・・・・―― 」
『・・・・・』
元ポートマフィア暗殺者、――泉鏡花
名前と顔しか知らない、抗争で長期遠征してる間に牢から出されて組織まで抜けてるんだから。勿論彼女の方は私の存在すら知らないだろう、――・・・それにしても、
『可愛い・・・・』
「え」
(頭撫でたい・・・――)
目の前でポカンとする可愛い少女の頭に伸びそうになる、――否もう半分伸びている手をプルプルさせていると反対側からグイッと引っ張られた
「遊ぶのは後、先にやる事済まそうね」
『何、やる事って』
「ん?社長に挨拶とか?」
・・・・いきなり敵組織の長とご対面か
もう腹を括るしかない、太宰の思う通りになるのは実に癪だが、之は任務だ、ポートマフィアの掟、――首領の命令は絶対・・・――私は其れに従うだけだ
(之は任務、之は任務・・・――)
____コンコン
「入れ」
『は、はははいっ』
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____バタン・・・・
『――ハァァ・・・』
挨拶とやらを終え、大きな溜め息を一つ、――緊張した、素性がバレるか否かでは無く、単に堅っ苦しい雰囲気というのは苦手分野なのだ
いくら任務と割り切っても緊張はする
「ガッチガチだったねA」
そして当然其れを見ておちょくってくるのが此の男、――太宰である、何度も云うが本当嫌な性格
『五月蝿い』
「すーっごい手汗だったよ」
『っ、だから早く手錠外せ莫迦!』
けたけたと楽しそうに笑い「おっかないなぁ」と、云いながらも腕を引っ張る此の男は私の叫声など右から左だろう、――要するに何を云っても無駄である
私に出来るのはもう云い様の無い脱力感に流されないよう自分の意志をしっかり保つ事ぐらいだ
あとは態とらしく溜め息を吐いてやる事
『――ハァァ・・・』
「幸せ逃げるよ?」
『誰のせいで』
「私って云うなら其れは間違いだよ」
『なんで』
「今日の晩ご飯は焼き魚だ」
『こ、姑息な・・・』
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ハウスダスト(プロフ) - 中也さん…。いいやつだなぁ…。 (2017年12月4日 21時) (レス) id: aedc87e387 (このIDを非表示/違反報告)
十音 - 中也アアアアアア哀しい。 (2017年8月25日 23時) (レス) id: e1078df416 (このIDを非表示/違反報告)
十音 - お疲れ様でした!とっても面白かったです! (2017年8月25日 23時) (レス) id: e1078df416 (このIDを非表示/違反報告)
十音 - うわーん(涙) (2017年8月25日 23時) (レス) id: e1078df416 (このIDを非表示/違反報告)
十音 - なんと!宣戦布告っていう言葉がそのまま出てきた! (2017年8月25日 22時) (レス) id: e1078df416 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:七森 | 作成日時:2017年8月15日 17時