波乱の幕開け ページ12
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『は、離し__ 』
「はい、之は没収〜」
『・・・・・へ?』
いとも簡単、パッと解放され視界に入ったのは
(――・・・・あ)
私が背中に隠し持ってた拳銃だ
其れはまさに、数分前まで逃げる算段の要としていたアイテムである、――成る程やられた
『其れを取るために・・・』
「そうだよ?なぁに?変な想像した?」
意味有り気に、にやにやと拳銃をプラつかせ質問で攻め立てる太宰、此の男、本当に性格悪い
「Aが常に隠し持ってる物、場所
ついでに云えば考える事までお見通しだよ
―――私から一本取れる日は程遠いねぇ」
『〜〜〜っ、は ら た つぅー・・・・』
散々人を小馬鹿にして至極楽しそうに笑った後「さて」と再び手錠ごと引っ張られた
『うわっ、なに!』
「探偵社に行こうか」
『行かない』
「あれ?優秀な精鋭が任務放棄かい?」
『・・・・・・』
「ああ、私とずっと手錠で繋がれていたいのだね」
『行く』
「ふふ、よし、じゃあ出発〜」
と、鼻歌交じり、ちゃっかり私の右手を握り、足取り軽く歩き出した太宰、――其のセンスの無い心中のテーマソング、やめた方が善いと思う
「〜〜〜♪」
『・・・太宰』
「ん?」
『さっき云ってた帰る場所って』
「ああ、うちの社員寮だよ」
――社員寮・・・・なんだ、” うち ” なんて云うから無駄に焦り散らしたではないか、想像よりかは幾分かマシなようだ
「因みに部屋に空きは無いから ” うち ” だ」
『・・・言葉のあや!!!』
「ははっ、安心し給え_____
_____快適ライフが待っているよ」
こんなに信用の無い安心が在るだろうか
『否!無い!よって帰る!離せ!』
「――全く、仕方の無い子だねぇ君は
手始めに其の云う事聞かないところと
口の悪いところを躾し直さないとねぇ」
『いぃやだぁぁぁあっ!!』
「〜〜〜♪」
抵抗虚しく、最早ズルズルと引っ張られながら探偵社への道、――否、波乱への道を歩く午後
――・・・嗚呼、誰か私に慈悲を・・・。
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ハウスダスト(プロフ) - 中也さん…。いいやつだなぁ…。 (2017年12月4日 21時) (レス) id: aedc87e387 (このIDを非表示/違反報告)
十音 - 中也アアアアアア哀しい。 (2017年8月25日 23時) (レス) id: e1078df416 (このIDを非表示/違反報告)
十音 - お疲れ様でした!とっても面白かったです! (2017年8月25日 23時) (レス) id: e1078df416 (このIDを非表示/違反報告)
十音 - うわーん(涙) (2017年8月25日 23時) (レス) id: e1078df416 (このIDを非表示/違反報告)
十音 - なんと!宣戦布告っていう言葉がそのまま出てきた! (2017年8月25日 22時) (レス) id: e1078df416 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:七森 | 作成日時:2017年8月15日 17時