きっと、君と何度でも。【紫】

＊十五話＊ ページ16

Aside



それからなーくんの家に少しお邪魔して、家を出る



「じゃあ、気をつけて」


『うん、お邪魔しました〜』



なーくんは玄関まで見送ってくれて、手を降って別れた。

そして玄関のドアが重々しく閉まる




『…ふぅ…緊張したなぁ』



思わずそう口に出た

なーくんびっくりしてたな、流石に引いたかな？


…いや、それよりなーくんはあんな調子で大丈夫なのだろうか

何だか会う度に窶れていってる気がする
私が会いに行かなきゃそこそこ危なかったんじゃないの？





…でも、私のせいかな



友人が記憶を無くして、今まで一緒に過ごしてきた時間全部が消えたなんて。

もし私だったら塞ぎ込んで泣いているかもしれない。



今までのなーくんとの思い出、家族との思い出、他の皆との思い出

思い出したいなぁ…。


皆いい人達ばかりだし
さぞ楽しい思い出ばかりなんだろう





私、何で忘れちゃったの？





もしも神様が居るなら
一生に一度のお願いをします



私の記憶を、取り戻してください＿＿！






『…っ！！？』



突如頭を殴られたような痛みがはしる

あまりの痛さに耐えきれず、地面にしゃがみこんで頭を抱えた。

道行く人は皆私をチラッと見てから通り過ぎていく


それによってか、頭に見覚えのある映像が流れ込んできて＿＿







"待って皆！今のは違くて…！友達が今うちに…"


"え？女の子？"

"まさか彼女！？"

"速報！ななもり。宅に女の子が！！"



"…っ、……くん…ごめん…！！"






焦ったような男性の声

凄い速さで流れていく文字

途切れ途切れに聞こえてくる女の子の声



何、何なのこれ？これは私の記憶？？

嫌だ、頭が割れそう…怖い…








『誰か…助けてっ…！！！』

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