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と言う訳で、
そんな理由で、
だからこうして、
別に何かやましい事があるわけでもなく、
という言い訳みたいな言葉を頭に浮かべながら、さっきからAの部屋の前を行ったり来たりしている。
誰かの足音が聞こえてくれば通り過ぎてみたり、エレベーターの階が止まれば自分の部屋に戻ってみたり。
いや、さっさとAの部屋に行って安否確認すれば良いのはよくわかっている。
ただただオレはAを心配をしているだけで、何か他に用があるわけでもないんだから。
だけど、それだけなのに、部屋まで行くとなると何かとてつもなく“悪い事”をしているような気分になってしまう。
今まで宿泊先でAの部屋に近付くことを禁じられていたせいだ。
同じホテルに泊まっていても、「出来れば一人にさせてやってな」というユタヒョンのお願いは効力を保っていたし、そもそもオレ達の中では暗黙の了解みたいなもので、こんな夜更けにAの部屋を訪ねるという選択肢は存在しなかった。
それが今日、あんなことがあったからAと話したかったのに会えないし、ずっと通話中で電話も繋がらない。
ルーム画面はオレが送った「どこにいるの？」から変わる事はなくて、これはこれで文面が若干重いように感じて居心地が悪い。
だから直接、Aの部屋を訪ねるしかなかったんだ。
一目見て、今日も頑張ったなと励まして、おやすみが言えればそれでいい。
廊下の一番端の部屋の、ルームナンバーが書かれた金色のプレートを睨みながら息を吐き出し、そして一思いにドアのベルを押した。
室内から廊下を軽快に跳ねる音が聞こえてきて、すぐにドアが開く。
「なんだ、ヒョンか」
「なっ、ヘチャニ……？」
「どうしたの、ドヨンイヒョン」
「……いや、悪い。何でもないよ。ただ、その……部屋を間違えちゃったみたいで、」
「ヌナに会いに来たの？」
「えっ？」
「ここ、Aヌナの部屋だけど。そうじゃなかったらドヨンイヒョンは誰に会いに来たの？」
ドアノブを引いて部屋を開け、ヘチャニは腕を組みながら身体の重心を扉に預けた。
まるで態度の悪い門番みたいな立ち方でオレを見つめる。
ヘチャンの口調はなんだかオレを責めているように聞こえた。
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せの(プロフ) - よよさん» ありがとうございます！こちらこそたくさん読んでいただけてとっても嬉しいです！最後まであと少し頑張るのでよろしくお願いします〜！ (2021年3月15日 21時) (
レス) id: f4b310de98 (このIDを非表示/違反報告)
よよ - 終わっちゃうの寂しいですが、こんなに良い小説を長く書き続けてくださってありがとうございました。好きすぎて何回も読み返しています。最後まで応援しております！ (2021年3月15日 16時) (レス) id: 736e832086 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - もさん» もさんありがとうございます〜！長かったようで短か……長い小説もやっと終わりを迎えられることが出来そうでうれしいです！☆ありがとうございます！がんばりま〜す！ (2021年3月15日 15時) (レス) id: 3487bfc826 (このIDを非表示/違反報告)
も(プロフ) - ついに次で最終章なんですね(;_;)凄く大好きな作品なので長かったような短かったような...という少ししんみりした気持ちです(;_;)☆を押すことしか出来ませんがNCTの紅一点、最後の最後まで応援してます！ (2021年3月15日 14時) (レス) id: 7e1d3bac26 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - mmmabcさん» ありがとうございます！完結！燃え尽きたいです！ (2021年3月15日 8時) (レス) id: 3487bfc826 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せの
| 作成日時：2021年2月1日 10時
