【ハイキュー】3ハプニングだらけの愛されヒロインを守る日向。【日向翔陽】

#107「戸惑いのネコ〜研磨side〜」 ページ14

遠征2日目。
７月も始まったばかりだがむしあつい。
寒いのも嫌いだけど暑いのも嫌いだ。

朝起きて、着替えて、食堂に向かう。

「あ」

「あ、おはよう！研磨くん、」
「おっす！研磨ー！」

翔陽と夜月さん。
朝から一緒に挨拶してくる。
仲良いな……

「あ、いま研磨くんの朝食も用意してきますね。」

そういって夜月さんは台所に向かう。

「研磨！今日も負けないからな！」
「うん……」

すると台所から「っつ！」っと小さな悲鳴に近い声。

「！」

台所に向かうと夜月さんが右手をおさえてる。

「夜月さん大丈夫…？」

「あ、研磨くん…」

そこには倒れたおわんとこぼれた味噌汁。

「火傷したの？」

「う…うん…」

「冷やして…！！」

ぐっと夜月さんの手を掴み、水道の蛇口を急いでひねって水を出す。
水で夜月さんの手を冷やす。

「研磨くん…ありがと…」

「あとになったら……大変だから……」

夜月さんの手、ちいさいな…
でもあったかくて…

人の手に、こんなに触れたのはいつぶりだろうか。

他人にかかわりたくなくて。
人を避けてきた。

でも夜月さんと翔陽は…なんか違くて…

眩しくて…

「研磨くん、そろそろへーきだとおもう、ありがとう。」

「あ、うん。」

ハッとして手を離す。

「研磨、どうした？なんかあった？」

翔陽が台所に入ってくる。

「夜月さんが、火傷したみたいだから…いちお冷やしておいた…」

「え！そうなの！？大丈夫！？」

「うん、研磨くんがすぐに冷やしてくれたし大丈夫そう。」

「そっか……ありがとな研磨！！」

翔陽がホッとしたように俺を見る。
夜月さん、大事なんだな。

昨日の夜も……抱き合ってたし……


………ズキン。

あれ。

なんか胸が痛い。
苦しい。はじめて感じる感覚。
思わず胸を押さえる。

「研磨くん？」

「…なんでもない。お大事に…」

そういってその場を去る。

俺に芽生えたのは………

「お、研磨！どうした！」

「クロ…」

「ん？」

「なんか俺……どっか悪いかも……」

胸をぎゅっと押さえながら台所ではなす夜月さんと翔陽をみる。

夜月さんを見るとドキドキして。
翔陽といるところをみると苦しくて。
なんなんだろ、これ。


「……チビちゃんに負けんなよ？」

クロがくくっと笑う。

「なんの話………。」


まさかこれが恋だなんて、
いわないでよね。

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