藤牢屋の鬼【弐】

伍拾伍。 ページ13

«Aside»

なんか、この3日間よく人が来る。

今日は蜜璃が来てくれた。

その隣には…なんか蛇みたいな…

包帯巻いたブツブツ呟いている人がいた。


｢紹介するわね！
こちらは、伊黒 小芭内さん！

鬼殺隊の蛇柱なの。

そしてこちらが、白蛇の鏑丸ちゃん！｣


そう蜜璃が言うと、この人の顔横からヒョコッと顔を出した白蛇。

か、かわいい…。


｢え、えと…はじめまして……？｣


声をかけると、すごい勢いで檻の真ん前にきた。



｢気安く甘露寺や俺に話しかけるな。

そして、甘露寺からお前の話は聞いている。
随分とまぁ楽しいひと時を味わえたようだな。
一緒に洗いっこもしたそうじゃないか？
そして、甘露寺に触れて抱き合ったとか…？
その羽織もわざわざ甘露寺に足を運ばせて買わせたのか？鬼の分際でよくもまぁ…。
これだから鬼は大っ嫌いなんだ。｣


…そうネチネチと、おっかない顔で睨みつけてくるこの人。

こ、こわい…。


｢あっ…ほんとだわ！！

その羽織きてくれたのね！

とっても似合ってるわぁ！｣


あっ…この人の隣に来た蜜璃の笑顔が仏様に見える。

その笑顔を見たこのひと。

その瞬間、この人が少し頬紅くして硬直した。



｢……？？｣

｢…？伊黒さんどうしたの？｣


｢……！

…いや、なんでもない。大丈夫だ。

今回は許そう。
だが、これからもベタベタイチャイチャするようなことがあれば俺は容赦はしない。
速斬首するからな。｣


｢は……はい……？｣


なんで許されたのかは分からなかったけど…。

ま、まぁ良し…なのか……？？？

蜜璃の笑顔に救われたってことにしておこう…。

お詫び。→←伍拾肆。

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