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__俺は長男だ。



最初は、一人っ子だった俺にかわいい優秀な弟ができて嬉しかったのに。





.





いつの間にか、全部とられた。



主に、勉強面。



……優秀な弟は、テストでも満点、魔法もいつも先生に褒められるほど凄かった。



それに比べて俺は、テストはまぁいいくらい、魔法は下手。褒められることもない。



そんな弟より馬鹿な俺が、弟よりも愛されるはずもなく。



母は、




「お兄ちゃんなんだから、アズールを守ってあげてね。」




と俺に「弟を守ることができる存在」であることを求めた。



父は、




「お前は長男なんだから、弟の「見本」になるように行動しろ」




と俺に「弟が真似したくなるような存在」であることを求めた。



.




……二人とも、「俺」という存在を求めてはくれなかった。



でも、愛されるためならどうだってよかった。



俺は両親に求められた存在になれるように努力していた。





でも、無理だった。元々才能のない俺にはとても出来ることじゃなかった。



…それで、俺は思った。



__「長男」に生まれなければよかった。



と。

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作者ホームページ:http/  作成日時:2020年11月20日 0時

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