【d!】大人になるから… (ページ5)

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5. ライターページ5

ライター忘れた…

「すぅー、ふぅー、Aさんは吸わないんすか？」
『らいたー、わすれた…』
「っふふ、相変わらずですねw でも俺のもだいぶガス切れちゃってて…」

うぅ…せっかくタバコ吸えること教えたかったのに！
なんで忘れちゃうんだろう…私は少し肩を落とす。

『…』
「もう、しゃーないですね。タバコ咥えてください？」
『うん、？』

私は少し首を傾げながら、タバコを咥える。
すると、くいっと顎を持ち上げられ、ショッピさんの顔が近づく。

『！？』
「ちゃんと息吸ってくださいね？」

そう言って顔がさっきよりもっと近づき、ショッピさんが軽く目を伏せる。
いつも綺麗な顔がさらに目を伏せたことで、色気を感じさせてドキッとする。
そして、お互いのタバコが重なる。
私はどうしたらいいか分からず言われた通りに息を吸う。
それに合わせてショッピさんも息を吸ったのがわかる。

『すぅー』

普段とは少し違う、私のよりずっと苦いショッピさんのタバコも流れてきて、どうやら、火がついた様子。
でもそれ以上に、今起きたことにあたまが追いつかずぼーっとする。

「ふぅ、どうしたんすかw 顔真っ赤ですよ」
『ぅ…』
「照れてるんすか？w」
『ちがっ…』

どうなったのかよくわからないけど、今も心臓がバクバクする。

「これがやだったら、ライターちゃんと持ってきてください」
『…や、じゃない』

突発的に出てしまった一言に自分でびっくりする。
嫌かはわからないけど、胸がぎゅっと詰まるような苦しい感じ。
こんなの初めてだった。

「そんなこと言われたら、ムラムラするのでやめてください」
『むらむら…？』
「はぁ、もう。まあええです、そろそろ夜遅くなっちゃうので、行きましょ」
『う、うん。あのね！また一緒にこういうのしたいの！』
「こういうのって、シガーキスですか？」
『ちがっ！一緒にまた！お酒飲んだりしたいなって！』

唐突にキスとか言われてびっくりする。
あれって、シガーキスっていうのかな。

「ん、ええですよ。今度行ける時メールしてくれれば行きます。これメアドです」
『ありがと！』

こうして、おたがいに連絡先を交換する。

「そういえば歩きなんですか？」
『うん』
「じゃあ、家まで送ってきます。もう遅くなっちゃったし」

変に煽るとこもあるけどやっぱり優しい。
また、胸がぎゅっと締められた感覚に陥る。